宅配クライシスの救世主なるか!? みんなの空き時間や移動時間を利用する新たな宅配サービス

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いま、宅配業界が大きく揺れています。ネット通販のサービスが拡大し、その利用者が急増する一方で、購入した商品を自宅まで届ける宅配の体制が追いつかなくなっています。宅配会社は時間通りに届けられなかったり、配送の依頼事態を断ったりする現象、いわゆる「宅配クライシス」が起きているのです。

2017年3月に各種メディアで報道された、業界最大手であるヤマト運輸の送料値上げ宣言をきっかけに、宅配料金の見直しも急速に進んでいます。しかし、値上げ分を残業代や新規の雇用者に充てる努力もむなしく、慢性的な人手不足を解消するほどではないようです。このまま物流がパンクし、モノが届かなくなる時代が来てしまうのでしょうか?

「ラストワンマイル」問題と新たな担い手

そんな「宅配クライシス」を解決する方法として、いま業界の注目を集めているのが「シェアリング・エコノミー」です。「必要なものを、必要なときだけ借りる」この概念を、宅配業界向けにアレンジしたシステムとは、業界において困難の1つと言える「ラストワンマイル」を、プロではない一般の人たちに運んでもらうというものです。

「ラストワンマイル」とは、もともと通信業界の用語で、「最寄りの基地局と利用者を結ぶ最後の区間」のことを指していました。物流では、配送センターからそれぞれの配送先までの区間を指します。

この部分は、これまで「その地域に精通したドライバーの経験」に支えられており、新たに人を雇用しても簡単に埋まりませんでした。それを、「その地域に住む、宅配業を専門としない人たち」にお願いすることで、「人手」と「土地勘」を同時に得るのが宅配業界版「シェアリング・エコノミー」なのです。

シロウト配送の不安を解消する新サービス

しかし、プロの宅配スタッフではない個人に、大切なモノを安心して預けられるのでしょうか? 荷物の破損や紛失、さらには盗難など、利用者にとっては不安が残ります。そうした不安を解消するべく、株式会社セルートは損害保険ジャパン日本興亜株式と提携し、昨年末に新たなサービスを発表しました。

img_145697_2.jpg株式会社セルート・配送クラウドソーシングアプリ「DIAq(ダイヤク)」


セルートは、
自転車で通学する学生や買い物に行く主婦、原付で出前する人などに「ラストワンマイル」を委託する「DIAq(ダイヤク)」という配送クラウドソーシングサービスを提供しています。

今回、発表した新保険サービスでは、DIAqで運んで生じた事故に対し、最大100万円まで補償するというものです。これは、大手宅配事業者3社の賠償限度額(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便のいずれも30万円)と比べても、非常に安心できる補償内容となっています。

現在、米国ではUber(ウーバー)という、自動車配車ウェブサイト・配車アプリがとても人気です。これは簡単に言えば、「一般人ドライバーによるタクシー」で、「空き時間」や「移動時間」をシェアする「シェアリング・エコノミー」の1つです。このように、いまや世界でも支持され、導入されつつある「シェアリング・エコノミー」は、日本の「宅配クライシス」も解消する可能性を秘めているのです。

このサービスが浸透すれば、自身が通販で注文したものを、時間通りに受け取れるようになるだけでなく、空き時間も有効に使えるようになりそうですね。近所のスーパーに出かけるついでに、途中にあるマンションへ宅配...なんて時代がくるかもしれません。

文/千葉洋一

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