『吾輩は猫であるというねこ』ねこが飼い主に向かって「名前はまだない」と言ったら?/ねこむかしばなし

『ねこむかしばなし』(ぱんだにあ/KADOKAWA)第21回【全59回】

もしも、あの物語にねこが登場したら...? 誰もが知っているような有名な昔話や童話にねこが参戦! ねこならでは魅力に思わずニッコリ&ほっこり。『ねこむかしばなし』『にゃんと!ねこむかしばなし』『みっけ!ねこむかしばなし』(すべてKADOKAWA)と、大人気シリーズから厳選したエピソードをお届けします。ねこまみれの幸せを堪能してください。

※本記事はぱんだにあ著の書籍『ねこむかしばなし』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

◆吾輩は猫であるというねこ

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元となったむかしばなし


吾輩は猫である
あるところに名前のない飼いねこがいました。その飼いねこは自分のことを吾輩と呼んでいます。
吾輩は失恋をきっかけに哲学するようになりました。足が4本もあるのに2本しか使わない贅沢さ、誰のものでもない地球を分割して領土を主張するおかしさなど、人間を観察しては不思議に思っていました。
ある日、飼い主の教え子が結婚することとなり、自宅で内祝いが開かれます。その席で吾輩は、どうせ死ぬことが決まっているならば自殺も賢い選択かもしれないと悟りに浸り、ビールを舐めました。

酔っ払った吾輩はそのまま水瓶に落ちてしまうのですが、助からないと悟ると抵抗をやめて死を受け止め、沈んでいったのでした。

 
※この記事は『ねこむかしばなし』(ぱんだにあ/KADOKAWA)からの抜粋です。

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