『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』 (岩下宣子/主婦の友社)第2回【全18回】
知っているようで意外と知らないのが年末年始のマナー。年賀状や初詣、お年玉など、年末年始には古くからの行事や習慣、しきたりがたくさんありますが、「正しいやり方は知らない」「やっているけど理由は分からない」ということも多いはず。知らなくて恥をかいた...なんてことのないよう、年末年始のしきたりやマナーを「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に聞きました。今回は、年賀状の挨拶文について。知らずに毎年書いてしまっていた...なんて方もいるかもしれません。年賀状を書く前に、ぜひチェックしてみてください!
年賀状の正しい挨拶文と年賀メールの注意点
親しい友人からビジネスの相手まで、間柄を問わず送ることができる年賀状。新年を祝う言葉「賀詞」を添え、旧年中の感謝を伝えて新年も変わらないお付き合いを願うものです。
挨拶文は、「新年おめでとうございます」や「明けましておめでとうございます」が定番ですが、「新年明けましておめでとうございます」はNG。
一見、丁寧な言い回しに見えますが、夜明け、梅雨明けなどのように「明ける」には「終わる」という意味があります。
つまり、「新年明けまして」は「新年が終わりました」になってしまうので注意しましょう。
2025年の年賀はがきの受付はすでに始まっており(12月15日から)、元旦に届けたい場合は12月25日の各ポスト最終集荷に間に合うよう投函することが推奨されています。これから書くかたは、どうぞお早めに!
メールでのご挨拶もOK。でも一斉送信は避けるべき
「最近はメールで新年のご挨拶をする人も多いと思いますが、相手との関係性に応じて年賀状とメールを使い分ければ問題ありません。ただし、メールの場合は一斉送信で同じ文面を送ったり、年賀はがきをいただいた相手への返事をメールで済ませることは避けたいですね」(岩下先生)
最近は高齢や年賀メールなどへの移行を理由に、今後年賀状を辞退する「年賀状じまい」をするかたも増えています。お相手の事情も考えて、気持ちよく新年の挨拶を送り合いたいものですね。
文/さいとうあずみ