「世界で一番幸せ」だったはずなのに...ロマンチックな物語に隠された「残酷な現実」を描いた衝撃作【作者に聞く】

理想の彼氏を手に入れた女性が転落していく様子を描いた完全描きおろし漫画『世界一素敵な彼氏』が話題を集めています。作者は、SNSで10万いいね! を獲得した話題作『先輩は綺麗な人だった』の理系女ちゃん(@rikejo_chan)さん。執筆の背景について、お話を伺いました。

■「素敵な彼氏」の話が後半で一変...

中小企業のOL・美咲が付き合っているのは、外資系投資銀行に勤める真斗という男性。いつも自分のことを一番に考えてくれる理想の彼氏に愛され、美咲は「世界で一番幸せ」だと感じるようになります。

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ところが美咲が見ていた幸せな世界は、ほんの一面にすぎませんでした。後半では美咲の友人の視点から、美咲の「盲目さ」が描かれます。

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美咲は大好きだった彼氏に騙され多額の借金を負い、夜の街で働くように。友人はある日、街で彼女とすれ違いますが......。

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■相手の視点に立ってみることの大切さ

ーー 「美咲は今、どうなっているんだろう...」と読者の想像を掻き立てる不穏なラストが印象的でした。本作を通して著者に伝えたいこと・考えてほしいことを教えてください。

美咲のような人は、適切なアドバイスだったとしても、少しでも自分と意見が合わなければ関係を切っていく傾向にあるので友達が少ないと感じます。しかし「正しさ」なんてものは視点によりますし、自分に見えている世界が偏ってないとも限りません。これを読んだ読者が周りに自身の意見を否定された時に、少しでも相手の視点にも立ってみる意識を持ってくれたら幸いです。


前半と後半で、世界の見え方が大きく変わる本作。甘い言葉とともに高価なブランド品をプレゼントしてくれる「王子様」は、実際にはお金目的の詐欺師でした。美咲の姿は、自分に都合のいいように物事を受け止めることの恐ろしさを教えてくれます。

 
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