「その声は...」旧友を探した山で出会ったのは。「山月記」の李徴が猫だったら/ねこむかしばなし

山月記のねこ その2

「その声は...」旧友を探した山で出会ったのは。「山月記」の李徴が猫だったら/ねこむかしばなし 18-02.png

元となったむかしばなし

山月記

むかしの中国に李徴という人がいました。李徴は若くして科挙に合格し、地方役人を務めるほどの人物でしたが、詩人として生きていくことにします。
しかし、詩の才能には恵まれていなかったようで、家族を養うため再び役人となりました。周りはかつて見下していた人ばかり。李徴は耐えられなくなり、野山へと駆け出していきました。李徴のあとを追った友人の袁傪は虎に出会います。虎が草陰でぼそっと発した一言に「その声は我が友、李徴ではないか?」と問いかけました。
虎になった李徴は「自分は尊大な羞恥心と臆病な自尊心のせいで化け物になってしまった。妻と子をよろしく頼む」と袁傪に話し、そのまま草むらに消えていったのでした。

 
※本記事はぱんだにあ著の書籍『ねこむかしばなし』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

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