「あの時誘いにのらなければ」こんなの望んだ未来じゃなかった...「港区女子」の栄光と影【著者インタビュー】

著者・うみの韻花さんインタビュー

――主人公・美春は、地方都市から華やかな都会に憧れて上京してきた女性です。彼女のキャラクターは、どのようにして生まれたのでしょうか?

うみのさん:主人公の美春は、私自身をモデルに作ったキャラクターです。 広島の田舎で育ち、東京のきらびやかな世界に憧れて経済力もないまま上京し、夜の仕事を通して都会に染まり、散財したり承認欲求が強くなったりしていく...。これはまさに私が経験してきたことです。境遇が完全に一致するわけではありませんが、彼女はもう一人の、存在したかもしれない私と言っても過言ではありません。

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――うみのさんは大学を中退して20歳のときに上京、役者を目指しながら生活費を稼ぐために夜職も経験されたとあとがきにありました。そうしたご自身の人生経験が、この作品に反映されている部分はあるのでしょうか。

うみのさん:そうですね。港区女子ではなかったものの、この作品をよりリアルに描くことができたのは、私自身の夜職の経験もあったからこそだと思ってます。夢を追い求めて上京したのに、お金がなくて稼ぎ出すも、本当にやりたかった役者活動も思ったように花咲かず、気づいたら夜職ばかりで、そこで自分の価値を見いだすようになっていって...そういった人生の一部がこの作品に大きく反映されています。

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――うみのさんご自身もこれまで全身整形に700万円以上を費やした経験をお持ちだそうですが、「若さ」と「美しさ」によって市場価値が決まる...という価値観に対して、どんな考えをお持ちですか?

うみのさん:「若さと美しさ」によって自分の価値が決まる...年々加速していくルッキズムと繋がるものがあると思うのですが、「若さや美しさ」なんて永遠じゃないし、どれだけ大金をかけて美容施術やアンチエイジングをしても本物の若さには勝てないし、必然的に自分の価値が下がっていくので、残酷だなと思います。

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若さと美しさという、うつろいやすいものに依存した生き方の危うさを提示する本作。「もっとお金がほしい」「キレイになりたい」という、若い女性なら誰もが共感し得る願いは、美春を一体どこへ導くのでしょうか。

取材・文=山上由利子

 
※本記事はレタスクラブに配信したものです
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