『16歳で帰らなくなった弟』の著者のきむらかずよさんに、弟さんについて、そして当時の心境についてお話をうかがいました。
――16歳で旅立った弟さんは誰からも好かれる性格だったようですね。姉から見てどのような弟さんでしたか?
きむらさん「目立ちたがり屋でやんちゃ、そして誰とでもすぐ友達になる子でした。友達のことを悪く言われるのを何より嫌い、私が弟の友達を悪く言うと、すごく怒りました。繊細な部分もあって正直な性格だったので、年齢問わずたくさんの人に可愛がってもらっていましたね」
――きむらさんと弟さんとは、対照的なタイプだったようですね。
「そうですね。性格は私が陰なら弟が陽。すべてにおいて真逆でした。弟はおしゃれで私は服に無頓着だったので、私の服の着方がずれてたりすると弟が直してくれることもありました。
似ていたのは、お互い負けず嫌いだったところでしょうか。小さい頃はところ構わず凄まじいケンカを繰り広げていたのも、今となっては大切な思い出の一つです」
――突然の出来事に、現実を受け止められない日々が続いたかと思います。弟さんがいなくなったことを強く実感したのは、どのような時でしょうか。
「それまで賑やかだった家が、シーンと静かになりました。毎日8時になると来ていた友達も来なくなり、こんなに家の中が変わるのか...とひしひしと感じました。
でも、弟が亡くなった後も『ただいま』と帰ってくるような気配を感じたことは、一度や二度ではありません。おそらく両親も同じように感じていたと思います」
ある日突然家族を亡くした悲しみは、想像を絶するものでしょう。しかしそれは、自分自身も含め誰の身にも起こり得ること。きむらさんの辛い経験から、大切な人と穏やかに過ごせる日常がいかにありがたいことなのか、改めて考えさせられます。







