ネットで話題の作品『赤ちゃんに転生した話』の書籍が2023年2月14日に発売されました。本作では、ブラック企業で過労死した主人公が、大人の心を持ったまま赤ちゃんへと転生するも、想像以上に赤ちゃんには制限が多く、大変なことを実感していきます。人気の理由は、赤ちゃん特有のしぐさや行動の理由がリアルに描かれており、子育て世代の気づきや共感を得られたことではないでしょうか。
書籍では、これまで連載でお届けしたストーリーに加え、追加の描き下ろしページも充実。書籍が完成した今、作者の茶々京色さんに制作中のエピソードや感想を伺いました。
■職場にバレた!? 思わぬハプニングが起こり...
子育ての合間の気分転換になりそうと描き始めた『赤ちゃんに転生した話』。
書籍化にあたり、新たなページの制作にも取り組んだそうです。
「一巻では、まだところどころにしか登場していない先輩と主任が、主人公の和史とどんな思い出があったのか、どんな人物なのかを4コマで少し描かせていただきました。また、エピソード内の赤ちゃんの行動や、シーンのより深い解説につながる豆知識をコラム"赤ちゃん豆知識"で書かせていただいております」
今作は茶々さんにとって初の書籍です。
制作中はどんな気持ちだったのでしょうか。
「漫画や本の業界は未知でしたので、原稿、コラム、表紙、描き下ろしなど、膨大な作業量に日々震えておりました。描き下ろしページの制作では、何度描き直しても数分後には細部が気になってしまい...を繰り返し、とにかく時間が足りませんでした。書籍化は、本当に大変で有難いことなんだと思いました」
そんな中、特にこだわった点を聞いてみると、「赤ちゃん特有の頬っぺたや、手足のムチムチ感はしっかり可愛く描くように意識しました!」との答えが。
ぜひ、赤ちゃんらしい可愛らしさに注目して読んでいただきたいですね。
漫画を制作しながら、普段は医療従事者として働いている茶々さん。
実は書籍化について、家族を除いて周囲の人にはほとんど伝えていなかったそう。
ところが、思わぬハプニングもあったそうです。
「本業の職場で、ひょんなことから漫画の存在が総務(1番立場が上の男性)に気付かれてしまいました。同時に、アカウントやフェチズムを語ったツイートなどもバレてしまったので、羞恥心で転げ回りました。職場では絵描きとは無縁なキャラだったので、随分意外だったようです。しかし、何故かその後、総務の方が少しフレンドリーになり、ドラマの話など世間話をしてくれるようになりました(笑)」
■趣味の漫画が一つの作品に! 専門性の高いものにも挑戦を
ご自身の漫画が書籍になった感想を尋ねると、「自分の絵が本になって世に出回るなんて夢のようです! 今まで趣味で漫画を描いていましたが、あくまで趣味の範囲だったので、本当にここまで支えてくださった読者の方々に感謝です!」とのこと。
今後の活動についても楽しみです。
「もっともっといろんな漫画をしっかり描いていきたいです。より共感できて、少しだけ皆さまの暮らしに寄り添えるような身近な漫画や、自身が医療従事者ということもあるので、医療漫画のような専門性の高い漫画にもチャレンジしていきたいなと思います。皆さまのおかげでここまで来れました! 今後も楽しんでいただけるよう最善を尽くしますので、ぜひお付き合いしていただけたら嬉しいです」
取材・文/寳田真由美(オフィス・エム)