夫には口が裂けても言えない!? 朝、夫を見送った後、妻が向かう先は.../ただの主婦が東大目指してみた

専業主婦こそ至高のポジション   4月某日

私はずっと「専業主婦」になりたかった。対人ストレスもない。時間に縛られることもない。好きな時間に昼寝ができる。好きに手が抜ける。パートが嫌になったら辞めて、次の仕事を見つければいい。

 

主婦にも休日が必要だって?......いやいや、いらない。会社に属していたときのことを考えると、いつも休暇みたいなものなんだから。

もちろん、子どもがいたり、意地悪系の姑さんと同居していたり、介護をしなくちゃいけなかったりと、その場合は話が違うんだけど。子どもがいなくて、夫と2人暮らしをしながら「主婦業」をする分には、全く苦なんかない。とってもラク。

家事や料理自体は別に「大変」じゃない。1人暮らしの男だって普通に家事もしてるし、毎日自炊してる人だっている。〝家事と子育て〟とか、〝家事と介護〟とか、何かが合わさってはじめて、フルタイムで働いている人に対して「大変アピール」ができるんじゃない?

そんな本当に大変な人たちの声に乗っかって、「しんどいアピール」をする人が多くなるほど、それが社会の中で常識になればなるほど、それなりの「主婦業」を全うしなくちゃと罪悪感で胸がちくちく痛む。

私はもともと人見知りで、他人と関わると激しくストレスが溜まってしまう。だから、基本的にずっと家にこもっていたいタイプだ。そんな私にとって「専業主婦」はあまりにもぴったりすぎるポジション。そんなこんなで、社畜時代、いや学生時代から、いやいや、もっともっと前から、ずっとずっと「専業主婦」というものにあこがれを抱いていた。

 

念のために結婚できない可能性も考慮して、1人でも生きていけるようにまぁまぁの大学に入って、ちゃんと資格も取って、ちゃんと正社員として働いた。......でも、もうそんなことはしなくていい。なぜなら、私は今や、愛する夫が快適に過ごせるように家事をこなし、いつか子供を産み、そして母という使命を全うすればいい(今は使命を全うできてるとは言えないけど)。

 

ああ、これぞ、誰にもとがめられずに家にこもることのできる、昔ながらの「女性」の生き方。なんて素敵な人生なんでしょう。

もちろん、社会でキラキラ生きている友だちを見ると、うらやましくなるけど別にいいんだ。私には「家庭」の中に「主婦」っていうい場所があって、「家事」やら「育児」やら、そんな使命があるんだから。誰かに尽くしていく人生。とっても素敵じゃないの。

......って、他人に尽くすことが私の人生の目的ってこと?それって本当に、私にとって素敵な人生なの?

 
※本記事はただっち 著の書籍『ただの主婦が東大目指してみた』(フォレスト出版)から一部抜粋・編集しました。
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