『お笑い脳 イヤなことをおもろいに変える芸人の思考法』 (芝山大補/KADOKAWA)第6回【全8回】
「人間関係の悩みは、芸人の技術によって解決できます」と話すのは、300組以上の芸人にネタを提供してきたネタ作家・芝山大補さん。それに気づいたのは「人前で話すのが怖い」と悩む女性に出会ったことがきっかけでした。その女性に対し芝山さんが伝授したのは、会話と人生が楽しくなるお笑い芸人の思考パターン。しばらくするとその女性は、人前で話すことの恐怖心がなくなったそうです。今回は芝山さんの著書『お笑い脳 イヤなことをおもろいに変える芸人の思考法』(KADOKAWA)から、どんなこともおもしろくとらえる「お笑い脳」へのアップデート方法をご紹介します。
※本記事は芝山大補著の書籍「お笑い脳 イヤなことをおもろいに変える芸人の思考法」から一部抜粋・編集しました。
「つまらない」と言う人は自分がつまらない
よくいろんなことに「つまんない」と言う人っていますよね。それって実は、自分が「つまらない人間」だということを露呈しているんです。
「え? つまらないものはつまらないでしょ」と感じる気持ちはわかります。しかし、一度僕の話を正座して聞いてほしいです。(正座はウソウソ)
例えば、番組でスベっている芸人を見て、SNSで「つまらない」と言う人がいますが、その場の芸人たちはそのスベっている様で笑っていることがあります。
なぜ、視聴者は「つまらない」と感じているのに芸人は笑うことができるのか? そこにヒントがあります。
1つ言っておくと、同業者に気を遣って愛想笑いをしているわけではないです。
それを見て「つまらない」と思う人と、それを「笑える」芸人の違い、それは 「自分で楽しむようにしているかいないか」 の差です。
例えば、50歳ぐらいの売れていない芸人が叫んでいるネタを見たとします。それを「ただ叫んでいるだけじゃん。つまらない」と評価するのは簡単です。
しかし、それでは「おもしろがれる能力がない」ということになります。
では芸人はどうやっておもしろがっているのかというと、頭の中やその場でツッコんでそれを楽しめるようにしています。先程の芸人の例だと、「いい歳して何やってんだよ」「そんなの伝わるわけないだろ」とかツッコむとそれがおもしろく感じます。
つまり、「つまらないものとしてそのまま見るのか」「おもしろく変えようとして見るのか」の違いなんです。
もちろん感想は自由です。つまらないものは「つまらない」という感想を出すのもたまにはいいでしょう。しかし、そればかりでは人生というのはつまらないことが多くなってしまいます。
つまらないことを自分でおもしろがれば、人生におけるつまらない時間を減らし「楽しい」と思える時間が増えます。それは大きなメリットだと思うんです。
だからこそ、与えられたものをそのまま受け取るだけでなく、楽しめるように持っていくという選択肢を持つことが大事です。
別にこれはお笑いに限った話ではありません。
例えば、ミュージシャンのオールスタンディングのライブに行ったときは、自分が楽しめる場所で見ませんか?(偉そうに言うてるけど僕はライブには行かん)
騒ぎたい人なら前のほうに行くし、ゆっくり楽しみたい人は後ろのほうで静かに見る。
そうやって自分が楽しめる場所に移動するのもこれと同じだと思います。
それを人の流れに身を任せて最前列に行って、「自分は落ち着いた場所で見たかった」なんて言っても仕方がないのです。自分で楽しめる場所に移動する努力が必要なんです。
楽しむ努力をするのが苦痛ならしなくてもいい。だけど、そうした選択肢があっても損ではありません。
ではどうやって楽しめる技術を手に入れるのかというと、まず頭の中で、いろんなことを「かも」と「だろう」で想像するクセをつけていくのが良いです。(教習所で習ったよね、
「かもしれない運転」あの感じ)
50歳ぐらいの芸人が叫んでいるネタを見たときなら、「こんな芸風なのに裏では静かかも」「ネタ帳に何て書いてるんだろう」「何でこの芸風でいけると思ったんだろう」「おじいさんとかおばあさんぐらいの人がこれを見たらどう感じるんだろう」などなど自分が笑えるように想像する。
そうすることで楽しめるクセが身につきます。これができるようになると、自分がつまらないと感じている人と遊んでも、その人をおもしろがれて楽しく感じたり、その人にツッコんで周りの人を笑わせたりすることもできるようになります。
こうして小さな変化は、あなたの人間関係さえも変えていくのです。そして、人生の笑顔になる回数も変えてしまいます。つまらないと思ってしまったときは、「かも」「だろう」で想像するクセをつけてみてくださいね。
この本だって、作者は全裸で書いてるの「かも」とか、想像して読んだら楽しめるかもしれません。(まぁ事実だけどね)自分の力で人生は楽しくしていきましょう。
【残念な脳】
つまらないものをつまらないと見ている
【お笑い脳】
つまらないものは頭の中で、「かも」「だろう」でおもしろく変えている