こんなディーン・フジオカがあなたのオフィスにいたら...⁉ 『空飛ぶタイヤ』【映画】

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長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生。ポスターなどを見て、「いいキャストだな~」と思った人も多いことでしょう。こちらの3人が主演する『空飛ぶタイヤ』は、大ヒットドラマ『半沢直樹』(2013)の原作者・池井戸潤の小説の映画化です。

 

魅力的な3人の役柄は?

長瀬智也が演じるのは、「赤松運送」の若き社長。笹野高史演じる"番頭"的な社員に支えられながら、小さな企業を熱い思いで支えてきた赤松。なんとなくイメージが浮かびませんか? 部下思いの土くさい社長役が長瀬智也に合っていて、彼の苦悩する表情が、この映画の内容を象徴するようです。

一方、ディーン・フジオカが演じるのは、大企業「ホープ自動車」の販売カスタマー戦略課課長の沢田。原作を読むと、さらに顕著ですが、この人物、ちょっといろいろ問題アリ。そんな役柄をNHK連続テレビ小説『あさが来た』(2015~2016)以降、クリーンなイメージの強いディーン・フジオカがやっているのも面白いところ。

そして、高橋一生の役柄は「ホープ自動車」のグループ会社「ホープ銀行」の本店に身をおく銀行マン・井崎。どんな役もその身になじませてしまう演技派の彼が、表向きは控えめだけど大きなことをやってのけてしまう、なかなかカッコいい男性を演じています。

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そんな3人が立ち向かうのは――。

何もなければ、交わることのなかった3人を結びつけてしまったのは、ある日突然に起きたトラックのタイヤの脱輪事故。警察から整備不良を問われた赤松は、調査を進めるうち、原因はトラック自体にあったのではないか--という疑いに辿り着きます。

そこで赤松は、ホープ自動車の沢田にたびたび調査を依頼。何度も電話をかけてくる赤松を疎ましく思っていた沢田ですが、社内の事情を探るうち、彼自身もある事実に気づき始めます。それは、あってはならないホープ自動車の「リコール隠し」。

同じ頃、ホープ銀行の経営戦略に疑問を感じた井崎も独自に調査を開始。大企業がひた隠しにしてきた事実に、3人がそれぞれの立場から闘いを挑むことになるのです。

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男たちのドラマがリアル

長編の原作を約2時間の映画に凝縮した林民夫の脚本が見事で、大勢の人物を描きながらもテンポよくスピーディ。事の真相に向かっていくボルテージが徐々に上がって、見応えがあります。

企業で闘う男たちを描いているだけに、誰も完全に正しい人はいない。例えば、沢田の見せる狡さや冷たさに、こういう人いるよな~と思う人もいるのでは? それぞれが守らなければならないものを持ちながら、でも正しいことをしようとする。そのギリギリの闘いが共感を呼びます。

立場的には敵対しあう赤松と沢田。そんな二人が、互いには見せないところで奔走しながら、共に巨悪に立ち向かっていく姿が印象的。『超高速!参勤交代』(2014/2016)シリーズの本木克英監督の手堅い演出で、男女ともに必見の社会派ドラマです。

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文・多賀谷浩子

『空飛ぶタイヤ』

6月15日(金)より全国公開

監督:本木克英 出演:長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生ほか
配給:松竹 2018年 日本 120分

©2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

公式サイト『空飛ぶタイヤ』

 

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