尾上松也さん×中村隼人さん　新春は華やかな歌舞伎へ！『新春浅草歌舞伎』

僕らの踏み出す新年の第一歩を見に、 浅草へいらしてください
『新春浅草歌舞伎』　尾上松也さん×中村隼人さん

東京・浅草のお正月の風物詩『新春浅草歌舞伎』が2018年で38年目を迎えます。若手歌舞伎俳優たちの登竜門として、名だたる俳優たちがこの舞台の経験を糧に大きく育ってきました。尾上松也さんを最年長に主要メンバーが20代中心の新体制になってから４年目となる今回、久しぶりに初年度のメンバーも帰ってきます。

浅草の舞台から羽ばたく 若手歌舞伎俳優たち

松也「先輩方が積み重ねてこられた『新春浅草歌舞伎』を、僕らが受け継いで４年目を迎えられるということはありがたいという言葉に尽きます」

隼人「そうそうたる先輩たちが立たれてきた舞台を毎年勤められることは、本当に幸せです」

松也「僕らはまだ修業の身ですけれど、『新春浅草歌舞伎』は自分たちの責任公演。初年度、幕が開いたときには、お客さまに見に来ていただけることがどれだけありがたいことなのかと。あの時の気持ちは忘れずにいたいと思います」

僕らの今後も楽しみにしていただけたら

松也「ずっと一緒にやってきている（※）巳之助くんと隼人くんは、僕にとって頼もしい後輩です。巳之助くんは繊細さが深みに変わってきたし、隼人くんは年を重ねて芸に対する姿勢も高まってきました」

隼人「松也兄さんはリーダー感が増して、いままで以上にチームを引っ張ってくださっています。先頭にたち僕らに方向性を示してくださる人物という感じです」

松也「人物です（笑）。今回は交代した時の最初のメンバーが再び集まるから、舞台も華やかになるだろうね。初年度以来の登場になる（※）歌昇くんは、ご結婚して子どももできて、人生では僕の先を行っている（笑）。隼人くんは（※）米吉くんと一緒だとやたらイジるね（笑）」

隼人「米吉くんはみんなを和ませる天性の人ですから（笑）」

松也「天性のムードメーカーの米吉くんに、愛嬌の（※）種之助くん、そして細い（※）新悟くん（笑）。一番の若手の（※）梅丸くんは初回から皆勤賞だね」

隼人「後輩ですが、芸への暑さは見ていて刺激をもらえます」

　

浅草の活気に負けないよう、 若手一丸となって勤めます

松也「今回このメンバーで『元禄忠臣蔵』をやるのは初めてです。これまで古典が中心でしたので、自分にとっても新しい一歩になると思います」

隼人「僕も『義経千本桜』の"鳥居前"で歌舞伎人生初の荒事の大役をやらせていただきます」

松也「浅草公会堂では歌舞伎座と同じようにはできないこともありますが、浅草公会堂でやるならどういう風にしたらいかと皆で工夫したりするのも楽しみのうちですし、そこが愛着のわくところでもあります。お客様との距離も近いですし、歌舞伎をまだ見たことない方にも、歌舞伎の魅力をより迫力をもって見ていただけるのではないかなと思っています」

隼人「見たあとにお食事をしたり、仲見世でお買いものしたり、浅草寺をお参りしたり、と町全体が新春ムードに包まれた浅草をお楽しみいただけるのも『新春浅草歌舞伎』ならではの楽しみだと思います。浅草の町の活気に負けないように若手一丸となって勤めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします」

松也「いい緊張感を持って『新春浅草歌舞伎』に臨みます。もちろんまだ未熟ではあるのですが、『新春浅草歌舞伎』だけでしか見ることのできないものがあるかと思います。ぜひ僕らの今後も楽しみにしながら、浅草で踏み出す第一歩を観にいらしていただけたらと思います」

（注釈）
※注1　坂東巳之助 　　※注2　中村歌昇　　※注3　中村米吉　　※注4　中村種之助　　※注5　坂東新悟　　※注6　中村梅丸

取材・文／鹿角恭子　撮影／中村嘉昭（LinQ)　ヘアメイク／[松也]岡田泰宣　[隼人]川又由紀