『筋緊張がとれ、自律神経が整う イラスト見るだけ整体』 (著:大橋しん、監修:芦田京子/KADOKAWA)第5回【全8回】
猫背や疲れ、肩こりに腰痛といった不調の原因は「慢性的な筋緊張」です。それらを一瞬で取り除くための革命的セルフケアを伝授しているのが、難治性患者専門の特命理学療法士であり、無意識の筋緊張を取り除く身体技法「アレクサンダー・テクニーク」の第一人者・大橋しんさん。 大橋さんの著書『筋緊張がとれ、自律神経が整う イラスト見るだけ整体』(KADOKAWA)は、見れば体のイメージが変わる、魔法のイラスト集です。その本の中から、体の各部位をほぐしていくことで慢性的な筋緊張を取り除き、体を楽にする方法をご紹介します。
※本記事は大橋しん著、芦田京子監修の書籍『筋緊張がとれ、自律神経が整う イラスト見るだけ整体』から一部抜粋・編集しました。
【肩と腕】肩こり・五十肩の改善
肩と腕の力を、思いきり抜いてみてください。
肩は羽が生えたように左右や上に離れて
肩と腕がゆるむと背中の筋肉も同時にゆるむ
近年、リラックスが大事との風潮から「肩の力を抜きなさい」と言うスポーツや楽器の指導者が増えています。もちろん、その指摘自体は間違っていません。
しかし、たいていの人は「腕をだらんとする」と解釈してしまいます。
人体の構造として、腕は肩甲骨と鎖骨によって、胸郭に覆いかぶさっています。成人で3〜4キロもある腕が、両側でたれ下がっていたらどうなるか?
胸郭を押しつぶしてしまうのです。すると2つの困ったことが起こります。
ひとつは呼吸の動きが制限され、呼吸が浅くなること。
もうひとつは、背骨が上から抑え込まれるので、地面からのショックを吸収する柔軟性がなくなり、伸び上がるようにスッと立つのが困難になることです。
もしくは、腕の重みに打ち勝とうとして胸を突き上げたり、背中の筋肉をかたくしてしまったりします。
では腕をだらんとさせずに脱力するには、どうすればいいのでしょうか?
肩甲骨から羽が生えているかのように、腕をふわっとさせる......そんなイメージを持ってみてください。腕の重みは背骨や体幹に均等に分散し、背中の筋肉がゆるんで解放されていくはずです。呼吸も背骨も、押しつぶされなくなります。