脇腹が痛み水疱ができた。まるで火傷したような状態/高谷典秀先生「なんでも健康相談」

脇腹が痛み水疱ができた。まるで火傷したような状態/高谷典秀先生「なんでも健康相談」 35bd79c87e7c169e401e84d136f2927b.pngあなたの身体のお悩みに医療法人社団同友会理事長 高谷典秀先生が答える「なんでも健康相談」。今回はこんなお悩みに答えます。


脇腹が痛み水疱ができた

65歳の男性です。脇腹に出来た水ぶくれについて教えてください。

10日ほど前の事なのですが、脇腹にビリビリとした痛みを感じるようになりました。外見は何とも無いので放っておいたところ、そのうち痛みを感じた部分に20~30個ほどの水ぶくれができ始めました。

まるで火傷をしたような状態になっているのですが、そのような覚えはありません。薬店で購入したオロナイン軟膏をつけているのですが、治る様子も無く、痛みもひどくなっているようです。なにか良い治療法はないでしょうか。

  

帯状疱疹の症状。ウイルスが活性化し神経節に炎症

脇腹にできた水泡についてのご相談です。今回のご相談で、特徴的な症状としては、水泡ができる前に、痛みが出ているということです。脇腹や胸、腹部などに痛みを感じた後、その場所に水泡ができるというのは、帯状疱疹の典型的な症状です。

帯状疱疹というのは、幼少期に感染した水痘(水ぼうそう)ウイルスが、治癒した後にも体の中の神経節という所に潜んでいることがあり、それが成人してから活性化し、神経の道筋に沿って炎症を起こしてしまうものです。ウイルスが活性化してしまう原因としては、老化による免疫力の低下、あるいは過労やストレス、他の病気による抵抗力の低下などがあげられます。

痛みを感じた時点で、早期に抗ウイルス薬で治療をすると、その後の悪化を軽減することができるのですが、病状が進行した後ですと、なかなか飲み薬も効かなくなってしまいます。その場合には、塗り薬などで対処をしていくのが一般的です。

帯状疱疹で厄介なのは後遺症です。表面的には治癒していても、神経の痛みが長く残ってしまう方が2割くらいいらっしゃいます。その場合は神経の痛みを和らげる薬や、神経ブロックという麻酔で対処をするしかありません。

帯状疱疹を悪化させないためには初期治療が重要です。神経の筋道にそった、体の片側に痛みが出た場合には、早めに皮膚科を受診するようにしてください。

また、帯状疱疹を発症した場合には、水痘のワクチンを接種していない児童に感染させる恐れがあります。お孫さん等に感染をさせないよう、十分ご注意ください。(老友新聞社)

※そのほかの「高谷典秀先生「なんでも健康相談」」はこちら。

 

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高谷 典秀 先生(たかや・のりひで)

医療法人社団同友会 理事長。順天堂大学循環器内科非常勤講師。日本人間ドック健診協会 理事。学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授。

著書に『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』(株式会社法研)など。

 
この記事は『日本老友新聞』に掲載の情報です。

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