心電図検査で「左脚ブロック」と診断されたが、どのような病気?

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心電図検査で「左脚ブロック」と診断されたが、どのような病気?

60歳の男性です。先日、健康診断を受けたところ、心電図の検査で「左脚ブロック」と診断されました。 担当の医師に、必ず定期的に、出来れば半年に1回、健診を受けるようにと言われました。

 私は、タバコは吸いませんが、酒は毎晩呑んでいます。以前から、高血圧を指摘されていたので、食べ過ぎや呑みすぎには自分なりに注意をしていたつもりなのですが、今回初めてこのように言われました。

 とくに自覚症状などは無いのですが、「左脚ブロック」とはどのような病気なのでしょうか。また、普段はどのような事に注意をすればよろしいでしょうか。

  


まずは心機能をチェック
異常なしなら過度の心配無用

左脚ブロックと診断された人からのご相談ですが、左脚ブロックというのはどのような状況かをご説明するうえで、まずは心臓が働く仕組みをお話いたします。

心臓というものは、ご存知の通り筋肉の塊で、心房と心室が交互に収縮することでポンプの役割を果たし、全身に血液を送っています。心臓の筋肉は、電気刺激によって興奮して動くのですが、その電気刺激を発生させるのが心房にある洞結節という部分です。

洞結節の細胞は、一定のリズムで自然発火的に電気刺激を発生させ、その電気刺激は決まった道筋を通ります。心臓の右心室へ刺激を伝える道筋が右脚、左心室へ刺激を伝える道筋が左脚と呼ばれ、これらの道筋を通ることにより、スムーズに電気が流れて筋肉を興奮、収縮させることができるのです。

しかし、これら右脚、左脚といった道筋に、電気がうまく流れなくなってしまうことがあります。すると電気は正規の道筋以外の所を流れ、ほんの僅かですが電気の伝達に遅れが生じます。心電図上では、波形の幅が通常よりも広がって見えたりし、これが右脚ブロック、あるいは左脚ブロックという状態なのです。

左脚ブロックがあるからといって、すぐに悪い病気に繋がるというわけではありませんが、まれに様々な病気によって心臓に負担がかかり、左脚ブロックを起こすという事もあります。今までの健診で、何も指摘されていなかったのに、突然左脚ブロックと言われた場合には、心臓超音波の検査などで、まず心臓の機能が良好かどうか、一度はチェックしてください。 専門医による検査の結果、心機能も良好で狭心症の兆候などが無いようであれば、過度に心配する必要はありません。定期的に健康診断を受け、様子を見ていれば問題無いでしょう。 

あなたの場合、高血圧を指摘されているとのお話ですが、高血圧が進むと、左室肥大といって、心臓の肥大が進んでしまいます。高血圧などを放置していると、心臓の機能が低下して、左脚ブロックなどが生じてくることもありますので、血圧のコントロールはきちんと行なうようにしてください。

  

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高谷 典秀 先生(たかや・のりひで)

医療法人社団同友会 理事長。順天堂大学循環器内科非常勤講師。日本人間ドック健診協会 理事。学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授。

著書に『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』(株式会社法研)など。

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この記事は『日本老友新聞』に掲載の情報です。
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