健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?
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無意味な長期連用が寿命を縮める
非常に大切なことですので、何度も繰り返していますが、薬はすべて〝有毒〞です。メリットが〝毒〞に勝る場合にだけ、必要最低限の期間に限り、用いることが許されるものなのです。しかしながら、服薬がめっぽう好きな人たちが多いのには驚かされます。薬が必要なときももちろんありますが、不要になれば速やかにやめるよう、留意すべきです。薬が常に必要な場合は、実際にはごくまれにしかありません。
逆に、世間にはステロイド剤や抗がん剤を目の敵にしている人たちもいます。しかし、それもまた賢明な考え方とは言えないでしょう。ある種のショック状態や白血病など、ステロイド剤や抗がん剤でないと命を救えない場合も時としてありますので、「薬=毒」をいかに上手に使いこなすかが、人間の英知というものです。
短期間に有用な薬剤を利用するのは、さほど問題ありません。害があるのは、効果がよくわからないのに漫然と使い続けたり、長期にわたって使い続けるケースです。
医者から「一生のみ続けてください」という言葉が出たら、無抵抗に従うのではなく、「ちょっと待て」と立ち止まり、考えることが、自分の命を守ることにつながります。
岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。
「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)
文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。