そろそろやめよう、特効治療・特効薬探し 9割の病気は自分で治せる(6)【連載】

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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?

病気の治療には総合力で立ち向かおう

現代医療の大きな特徴として、たった1つの治療方法だけで治そうという発想が根強くあります。その影響もあるのでしょうか、患者さんも特効薬や特効治療を探し求める傾向がとても強いのです。そこには相乗効果を狙おうという発想は、あまりないようです。

急性感染症など、原因が1つであれば、1つの治療法で対処できます。しかし、原因や悪化要因が多岐にわたる場合に、1つの薬や治療法だけで治ると考えるのには無理があります。いろいろな治療法を組み合わせ、その総合力や相乗効果で治癒を導くというのが理想的な考え方です。

1つの治療法だけに頼るのは、野球でたとえるなら、ホームランだけで勝とうという発想です。確かにホームランだけで勝つ場合もあるかもしれませんが、それはたまたまに過ぎません。

もちろん、特効の対症治療であれば、1つの治療薬に頼ることも理解できます。抗がん剤もそうでしょう。がん細胞をいくぶんかはやっつけることができます。しかしそれは対症治療であって、根本的な治療ではありません。

特効治療探し、特効薬探しは、どこか名医探しと通じるところがあります。日本人は名医探しが大好きです。とどのつまり、ホームランで試合を決めたいという願望が強いのかもしれません。しかし、それはいささか非現実的です。

世間ではゴッドハンドを持つドクターがもてはやされています。確かに手術に関しては名人だと思いますが、手術がうまいことと治癒することは、がんなどの場合、イコールではありません。手術が完璧でも、がんが再発すればその意味が薄れてしまいます。

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それより、たとえ手術がそこそこであったとしても、ほかの治療法を駆使してでも何とか総合力で治癒に導くことができれば、そちらのほうが名医だというべきでしょう。

患者さんにとって、何が効いたのかは重要ではなく、患者さんが治れば、それが正しいのです。これが僕の言い分です。

岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。

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「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)

文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。

この記事は書籍「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」(KADOKAWA)からの抜粋です。
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