降圧剤をやめたら調子がよくなる?/9割の病気は自分で治せる!(31)【連載】

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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?

その血圧の値は本当に「病気」なのか

今、日本では2000万人以上の方が、高血圧の薬(降圧剤)を日々服用していると言われています。つまり日本人の5人に1人が降圧剤を毎日のんでいることになります。

まともな医者であれば、きっとこの数字に違和感を覚えるはずです。日本人の5人に1人が高血圧症患者というのは、あまりにも多過ぎです。高血圧の定義そのものがおかしいと考えるほうが自然でしょう。

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よく遭遇する典型的な例をご紹介しましょう。

大工の棟梁をしている60代の男性は、健診で血圧の高さを指摘され、降圧剤の服用をはじめました。ところが、それからはどうも元気が出ず、頭がぼうっとしたり考えがまとまらなくなり、おまけに力も出なくなって、仕事に差し支えるようになりました。

医者にそのことを訴えても、「心配しないでのみ続けてください」と言われるばかりです。医者の説明が腑に落ちず、内緒でしばらく服用をやめてみたところ、たちどころに元気が戻ってきました。

このような経緯に不安を覚えて、僕のところに相談に見えたわけです。

血圧を測定してみたところ、168/98㎜と、確かに値は低くはありません。ただ、聞いてみる限り心臓や腎臓の病気はなさそうで、肥満でもなく、生活習慣の乱れもあまり見られません。さらに聞いてみると、この方のご両親も血圧が高いと言われながら無治療のまま96歳と92歳で亡くなられたとのこと。7人いる年上のご兄弟たちも、全員健在で自立した生活をされており、そのうち5人は高血圧ですが、やはり治療は受けていませんでした。

「元気が戻ったのが何よりの証拠。しばらく様子を見てもいいと思います」と答えましたが、その後5年経過しても、この方はもちろん、高血圧を指摘されたご兄弟も全員、今も元気に自立した生活をされています。

この事例について、いかがお考えになるでしょうか。ご自分に処方されている薬も、少し見直す必要があるかもしれません。

岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。

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「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)

文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。

 
この記事は書籍「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」(KADOKAWA)からの抜粋です。

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