実は「高糖質」の和食! 漫然と食べていると糖質過多に陥ります/9割の病気は自分で治せる!(23)【連載】

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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。

病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?

糖質が多ければ糖尿病のリスクに

数年前、「低インスリン・ダイエット」というダイエット方法が流行しました。これは、ブドウ糖を100としたときの血糖上昇率を示すGI値(グリセミック・インデックス)の低い食品を食べて、血糖値の上昇をゆるやかにしようというものです。

血糖値が急激に上昇すると、膵臓からインスリンが一気に分泌される、グルコース・スパイクが起こります。インスリンには血糖値を下げる働きがありますが、大量に分泌されると、血管内で血液と接する内皮と呼ばれる部分を傷つけて動脈硬化をまねく、キラー・ホルモンでもあります。

食後1〜2時間の血糖値が高い状態が繰り返されると、脳梗塞や心筋梗塞を発症しやすくなるため、それを防ぐためにもGI値の低い食べ物を摂りましょう―というわけですから、ある意味、とても理にかなっているように思えます。

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ただし、ここで話が終わってしまっては、効果半減なのです。実は、ここに落とし穴がひそんでいます。たとえば、精白米のGI値は81、玄米はさらに低くて55ですが、糖質の量はほぼ同じです。つまり、精白米でも玄米でも、1膳食べれば同量の糖分が血液中に入るのです。

「メタボ」と診断され、管理栄養士から栄養指導を受けた人のなかには、「欧米型の食生活をやめ、低カロリーの和食中心の食事をしてください」と言われた人もいるでしょう。

しかし、この言葉を鵜呑みにして、漫然と和食を食べていると、糖質過多の落とし穴にはまることもあるので注意です。

煮物の材料となるいも類、大豆以外の豆類、調味料の砂糖、みりん、日本酒も糖分が高いので、和食は意外と高糖質なのです。

揚げ物など、高カロリーの食べ物も肥満の原因となりますが、体脂肪と血液中を浮遊する中性脂肪は、ウォーキングや、水泳などの有酸素運動で減らすことができます。

糖尿病は肥満の人だけがかかるものではなく、たとえスリムであっても、「糖質過多」が原因でかかることもあると、頭の片隅にとどめておいてください。

岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。

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「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)

文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。

 
この記事は書籍「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」(KADOKAWA)からの抜粋です。

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