東北地方は脳卒中での死亡率が高い! 塩分多めの食生活を見直しましょう/9割の病気は自分で治せる!(22)【連載】

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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。

病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?

薄味を楽しんで病気を遠ざけよう

お店で食事をするとき、薄味の関西育ちの僕には解せない光景に出くわすことがあります。鮭などの焼き魚や漬物に、しょう油をドバドバとかける人の姿です。

思わず「辛くないですか?」と声をかけると、相手は大抵怪訝そうな表情を浮かべ、「いや、しょっぱくないよ」と言います。店で出される魚の煮つけにも、味が濃く、砂糖もたっぷり使っているものが少なくないようです。

塩分多めの食生活は、東北・北海道に共通して見られる傾向なのですが、これを裏づけるように、とくに東北地方は、男女ともに脳卒中で亡くなる率が高くなっています。

北海道に脳卒中が少ないのは、断熱材でガードされた家に住み、厳冬期に風呂場やトイレで寒さの直撃を受けなくてすんでいるからでしょう。体は急激な変化に弱いのです。「高血圧は、食塩摂取量が多いことが問題なのではなく、食塩のナトリウム成分と拮抗するカリウムの摂取量のバランスが問題だ」という説を唱える学者もいます。しかし、疫学調査など長年の研究で、減塩には心臓病、がん、腎機能障害の予防効果があることが知られており、塩分過多の食生活はやはり改めるべきです。

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ただし、カナダで発表された研究データによれば、1日3g未満という極端な減塩もまた、心臓病や脳卒中をまねきやすいとされています。

現在、日本人の平均的な塩分摂取量は1日約11gです。先の研究を行なったカナダでは、7〜8gを「多量」、8g以上を「過剰」と位置づけているので、日本人の多くは「過剰摂取」ということになります。

食卓に食塩やしょう油差しがあると、塩辛いものが好きな人はつい手を伸ばしてしまいます。それを防ぐためには、目につく場所に調味料を置かないようにすることです。

また、煮物やみそ汁の出汁を濃いめに取ったり、山椒とか香辛料を活用したりすると、塩分控え目でも薄味が気になりません。ぜひ、試してみてください。

岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。

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「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)

文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。

 
この記事は書籍「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」(KADOKAWA)からの抜粋です。

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