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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?
我慢せずに自由な気持ちで暮らそう
老人ホームで生活している元気な人はみんな、ストレスの対処が上手な方ばかりです。たとえば、コーヒーが飲みたい、おやつが食べたいとします。しかし、メニューが決まっているので、希望どおりにはいきません。飲みたい、食べたいのにそれができないとストレスになります。
ところが〝ストレス上手〞な人は、自分にだけは特例が認められるよう駆け引きをします。手を変え品を変えて巧みに要求し、ヘルパーさんや看護師さんに「この人にはかなわんな、しゃあないな」と思わせるテクニックを身につけているのです。
そういう人は、人の話も不要だと思えば、さり気なくスルーします。都合の悪いことを言われると「そんなこと聞いたかな?」ととぼけていますが、大事なことはちゃんと聞いていて、人の話を取捨選択します。つまり、逆らわないけれども、従うこともしないのです。言ってみれば食わせ者です。
ストレス上手な人は裏を返せば、ある意味ではわがままで〝自己中〞ですが、その自己中が嫌みにならない「巧さ」があります。
しかし、そのくらいでなければ、70歳のライン、80歳のハードル、90歳の壁は越えられないのかもしれません。周囲の目を気にして、「○○せねばならない」と自己犠牲を強いて生きると、ストレスをためこみ、「自律神経のバランスが崩れる→未病→病気」の過程をたどってしまいやすくなります。
ですから、ストレス上手なお年寄りのようにしたたかで、ほどよくマイペースなくらいがちょうどいいのです。
ある70代の女性の患者さんは、ダンスやドライブを趣味にしています。ご主人を亡くしたあとは、ダンス講師に密かに恋心を抱いたり、スポーツタイプの愛車に乗ってあちこち出かけたりしています。
気持ちが若々しいと、それに行動がともなうようになり、行動すればさらに刺激を受け、ますます若々しくなります。そんな風に年齢を重ねることをお勧めしたいと思います。
岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。
「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)
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