一生、自分の歯で食べたい! 厚生労働省が推進する「8020運動」の成果

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みなさんは「8020運動」という言葉を聞いたことがありますか?

これは「80歳になっても20本以上自分の歯を保つ運動です。その歴史は古く、平成元年から当時の厚生省(現、厚生労働省)と日本歯科医師会が共同で推進しているものなのです。


「8020運動」は、40歳代50歳代の人は簡単に思うかもしれませんが、実際には70歳代で総入れ歯という人も少なくありません。私たちが考える以上に、80歳で20本以上、自分の歯を残すのは難しいのです。

20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。


達成率は50%にも

厚生労働省が発表した2017年の調査発表では、「8020運動」の達成率は50%にも達するそうです。2011年の同じ調査では達成率が38.3%なので成果は着実に上がっていると言えるでしょう。

達成率が上昇した要因としては、職場や地域での歯科検診の徹底や、歯の大切さを啓発する事業の推進、TVCMや新聞広告などを使った「歯と口の健康週間」の認知拡大など、官民一体となった地道な広報活動が徐々に成果を上げているようです。また、フッ素塗布や歯間ブラシの使用が増えて、虫歯率が大幅に減少したことも挙げられます。

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世界の8020運動はどうなってる?

日本は世界有数の長寿国です。健康に留意している点でも、世界有数といってもいいでしょう。しかし、興味深いデータとして、80歳前後の残っている歯の数を世界各国と比較してみると、日本人はそれほど高い数値を示していないのです(65歳-74歳の残存歯数で1位は米国の16.6本、日本は12.3本)。このような調査を見ると、「8020運動」もまだまだ道半ばですね。

高齢になっても自分の歯でご飯が食べられるように、40代、50代のうちから、「8020運動」にしっかり取り組んでいきましょう。


文/久保忠雄

 

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