知らなかった! 乳がんを見つけにくい「高濃度乳房」って何?

pixta_25701258_S.jpg厚生労働省は、ことし7月、乳がん検診でがんが見つかりにくい「高濃度乳房」と判定された場合、 受診者に知らせる体制を整備する方針を決定しました。2017年度中にも通知方法を定めた指針をまとめ、自治体が行う乳がん検診で活用したいとしています。そこで、「高濃度乳房」とはどういった症状なのか、どんな対策をとったらよいのかを、医療法人社団同友会理事長で日本人間ドック健診協会理事の髙谷典秀先生に教えていただきました。

 

日本人に多い高濃度乳房 検査の併用でリスクを軽減

女性がかかるがんの中で最も多いのは乳がん。早期発見のカギを握るのは検診ですが、国が40 歳以上の女性にすすめるマンモグラフィ(乳房X線撮影)だけでは、がんの有無は判別できにくい場合があるとされています。これは、乳腺の密度が高い 「高濃度乳房」が日本人に多いことも一因です。

「乳房は、乳腺の密度が濃い順に、高濃度、不均一高濃度、乳腺散在、脂肪性の四つに分類されます。乳腺の密度が濃いと、マンモグラフィの画像では全体が白っぽく写り、同じく白く写るがんを見つけにくくなります」とは、髙谷典秀先生。

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●高濃度乳房の特徴とは?

1.マンモグラフィでがんを見つけにくい
2.病気ではなく体質
3.乳がんのリスクは高まる
4.年齢で変化する


この弱点をカバーするには、 超音波検査(エコー)との併用が有効です。国の大規模研究によると、マンモグラフィに超音波を加えることで、早期乳がんの発見率が約1.5倍になるという結果も。「超音波検査では、がんのしこりが黒く、乳腺が白く写ります。超音波を追加で希望する場合は、検診機関や乳腺専門外来などの医療機関で、自費で受けるようになります」。

高濃度乳房のリスクは、病変が見つかりにくいだけでなく、 脂肪性乳房の人に比べると、乳がんのリスクがわずかに高まることが分かっています。ですが、乳腺の割合が多い体質であって、病気ではありませんので、過度な心配は不要です。

国の乳がん検診の指針では、結果を「異常なし」か「要精密検査」のいずれかで本人に知らせるよう定められていますが、 乳房の乳腺タイプの通知までは求められていません。検査を受診しただけで安心せずに、定期的にセルフチェックを行い、乳房にしこりを感じるなど自覚症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

 

取材・文/笑(寳田真由美)

<教えてくれた人>
髙谷典秀(たかや・のりひで)先生
医療法人 社団同友会理事長。順天堂大 学医学部卒業、医学博士、日本人間ドック健診協会理事。
この記事は『毎日が発見』2017年12月号に掲載の情報です。

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