隣の芝生は青く見える......と思っていたら、意外とうちの芝生のほうが青いのではないか!? 「そうそう、そうなのよ」とうなずきたくなる相談から、驚き、びっくりな悩みまで、いろいろあります夫婦って。
定年後の夫婦問題はもとより、子ども世代や孫世代にリアルに起きている夫婦のさまざまな問題を夫婦問題カウンセラーの立木ミサさんと一緒に考えます。
Q 夫は節約を通り越して、ケチで困っています。買い物をするスーパーまで指定されます。
夫は年収が1000万円ほどあるのですが、節約家というよりはケチで、家のそばにいくつかあるスーパーの中でも一番安いスーパーで買い物をするように言います。また、野菜や食品などは割引になったものしか買うな、と言われたこともあります。「老後のために」というのが夫の口癖です。でも、将来本当に年金暮らしになったとき、もっとケチになるのではないか、とむしろ不安のほうが大きくなることがあります。ぜいたくをしたいとは思いませんが、節約ばかりでなく、もう少し「今」を楽しみながら生活をしたいと思っています。(49歳・会社員)
A 性格や価値観を変えるのはとても大変です。外からの働きかけではなかなか難しいと思ってください。
この方はぜいたくしたいわけではないけれど、何かと「老後のため」という夫に辟易(へきえき)しています。
ほかにも共働きで経済的に完全シェアしているにもかかわらず、夫に節約を求められることに疲れてしまい、だったら一人で楽しく暮らしたいと離婚した方もいます。お肉は割引されたものを買うように夫に言われ、「子どもたちにもう少し産地などを選んで食べさせたい」という、年収1200万円以上の夫を持つ妻もいます。光熱費節約のために「暑くても冷房はつけるな」という夫も----。
「夫がケチで困っています」という相談は、意外と多く、年収が高くても度を越した倹約家、ということがあります。お金に関する価値観の違いは、案外その違いを埋めていくのは大変で離婚に至る原因にもなります。
あまり細かく節約を求められる場合は、きっぱりと自分の意見を夫に伝えてください。意外と言葉にしないで、自分の中でフツフツと不満に思っているだけのことがあります。そして無駄遣いをするわけでなく家計がやりくりできているのであれば、「私に任せておいてほしい」と言って実行してください。それでも夫が理解してくれなければ、やはりお金に対する価値観が違うわけなので、今後、残りの生涯この人とやっていけるのか? と考えてみてください。特に家事を担っているのが妻の場合、生活にかかるお金の使い方を細かく言われるのは日々のストレスになります。そのときは目をつぶることができても、積み重なっていくといずれ大きな夫婦問題になっていきます。
<まとめ>
日々の生活にまつわることの不満は、相手に伝えていかないと積もっていくばかりです。
立木ミサ(たつき・みさ)さん
夫婦問題カウンセラー。1959年、神奈川県生まれ。これまで1200人以上の夫婦問題に接し、男女、世代を問わずに夫婦に起きるあらゆる問題に取り組んでいる。「生き苦しさ」を乗り越えるためのサポートを主軸にカウンセリングを行っている。