リクルートが発表した「2018年トレンド予測」によると、いくつになっても美容を楽しみたい高齢者のための「来るスマ美容師」が増えてるそうです。
「来るスマ美容師」とは、美容室に行くのが困難な高齢者のために、「自宅や施設にスマイルを届けてくれる美容師」のこと。2018年は介護保険制度改正、介護報酬改定の年であり、高齢者向けの美容・健康などの関連サービスにも、新しい動きがあると予想されています。
いくつになっても身だしなみに気をつけていたい高齢者を始め、その周りの家族や介護従事者にも歓迎されている「来るスマ美容師」と合わせて、訪問美容の可能性についても見ていきましょう。
高齢者の高い美容意識が、「来るスマ美容師」と繋がる
株式会社リクルート「2018年トレンド予測・美容領域」より
日本は年々、高齢化が加速しており、2025年に団塊世代が後期高齢者に、2035年には人口の約3人に1人が65歳以上になると言われています。この流れにともなって、美容室へ行くのが困難となる「要支援」「要介護」認定を受ける人も増加しているのが現状です。
株式会社リクルート「2018年トレンド予測・美容領域」より
しかし、いまどきの高齢者の美容意識は高く、いくつになっても身だしなみに気をつけたいと考えている人が大半なんだそうです。元気に生活するためにも、美容が大切だと感じている人は7割近くにもおよびます。
株式会社リクルート「2018年トレンド予測・美容領域」より
その流れの中で「訪問美容」への意識を見てみると、半数を超える方々が活用したいと考えていることがわかりました。「いくつになっても綺麗でいたい」「身だしなみを大切にしたい」という理由や、それによって日常にも張りが出るという意見も出ています。高齢者にとって、キレイでいることが日々の暮らしに深く関わっていることがわかりますね。
美容の力で高齢者の健康を支える、訪問美容の可能性
株式会社リクルート運営・ホットペッパービューティーアカデミー
リクルートが運営するホットペッパービューティーアカデミーによると、高齢者がキレイになることで健康へと繋がることが、科学的にも実証されていることがわかります。
サイトに掲載されている資生堂の池山和幸さんは「高齢者の方が健康に生きるために大事なのは、自分らしく自信をもって生活することと、社会性や社交性です。鏡を見て自分と向き合い、キレイになれば人に見てもらいたくなります。」と語っています。
実際に訪問美容を受けた人の家族からは、「家族がさっぱりした気分でいる様子を見るのはうれしい」という意見が出ています。また、介護従事者からも「利用者の笑顔を見ることができてうれしい、普段と違うお話が出てくる」との報告も上がっています。美容を受ける本人だけでなく、その周りにも良い影響をおよぼしていることがわかりますね。
若い頃からおしゃれを楽しんできた世代の高齢者にとって、いつまでもキレイでありたい、身だしなみに気をつけていたいという願いは、笑顔の元になるようです。そんなニーズに応える「来るスマ美容師」は、高齢者の健康を支える存在として、欠かせないものになりそうですね。
文/山川 温