「24時間戦えますか♪」
そんなビタミンドリンクのCM曲が流行っていた昭和の終わり、当時はモーレツに働くビジネスマンがカッコイイとされていました。しかし、平成に入って30年が過ぎ、そのイメージも変わりつつあるようです。
昨年12月、株式会社リクルートホールディングスは、人材マネジメントに関して、2018年のトレンド予測を発表しました。その中で提唱している2018年のキーワードは「ボス充」なんだそうです。
プライベートを楽しんでいるボスが、周りの部下や会社に良い影響を与えていく。そういう現象を「ボスが充実している」という意味で「ボス充」と呼びます。理想のおじさん「ボス充」とは、具体的にどういう人なのでしょうか?
若い部下が「ボス充」に求めるもの
昭和からプライベートを楽しんでいるボスはいましたが、「ボス充」は昭和のボスと違う点が2つあります。1つは若者がそれを支持するようになってきたこと、もう1つは企業がそれを歓迎しているということです。1980年代半ばから2003年の間に生まれた「ミレニアル世代」の部下は、どういう上司を望んでいるのでしょうか?
彼らは昭和の上司像の「仕事人間」を嫌い、「社外活動が充実している」上司に人間的魅力を感じています。若い人にとって理想の上司は「人間的な幅が広く」「早く帰る」人という結果となっています。
株式会社リクルート「2018年トレンド予測・人材マネジメント領域」より
これは現在の若い部下の生き方が、多元的な自己を持つようになってきていることと関係しています。彼らはSNSを活用し、さまざまなコミュニティで人間関係を広めています。だからこそ、自分のボスにも、早く帰ってプライベートを大事にするような、多様な価値を認める包容力を求めているのです。
社外活動が仕事にいい影響を与える相乗効果
昨年から政府主導で実施されているプレミアム・フライデーや働き方改革により、残業が大きく減りました。また、ボランティアや副業を認める企業も増え、これまで以上にプライベートの活用の仕方に個性が出るようになってきています。
株式会社リクルート「2018年トレンド予測・人材マネジメント領域」より
ここで、リクルートのトレンド予測資料に掲載されていた、実例をピックアップしてみましょう。
実例1) アッヴィ合同会社 開発本部プロジェクトプランニング&オペレーショナルエクセレンス統括部長 大浦藤子氏
子育てがきっかけで、学童保育やPTA役員を経験。「さまざまな感覚・価値観を持つ集団をまとめる経験が、個性の違いを楽しめたり、会社での仕事の進め方を振り返る機会になった」と、プライベートでの経験が仕事にいい影響をもたらした模様。
人事の声 「多様性への理解と柔軟性を、仕事や部下のマネジメントに活かし、高いパフォーマンスを発揮してくれている。社員にとって貴重なロールモデル」
部下の声 「部署を超えてさまざまな社員から、日々相談を持ちかけられている。人想いで優しく、高いコミュニケーション能力で、円滑な議論をされることからも、時間的ゆとりを生み出しており、ぜひ見習いたい」
実例2) 株式会社サイバーエージェント 執行役員 人事本部本部長 武田丈宏氏 (42歳)
趣味の草野球と子供が生まれたことがきっかけで、休日は「少年野球のコーチ」に。「仕事の経験がコーチにいかせる。大事にしたいバリューを決め、PDCAを回すと結果がついてくる」と、仕事の経験がコーチ業に活かせ、理論を実践する場として役立っている模様。
企業の声 「B面が充実している人って、仕事ができる人が多いですね。武田さんは典型的な事例」
部下の声 「子どもに指導しているので、 伝え方が磨かれている」
どちらのケースも、仕事の経験がプライベートに、プライベートの経験が仕事にと双方にいい影響を与え、会社からの評価や部下からの信頼につながりました。異なる業種、文化、人間関係での体験が、人間的な成長をうながすようです。
企業側の制度的な後押しも導入されつつある中、この機会にあなたも多元的な自己を表現する「ボス充」を目指してみませんか?
文/千葉洋一