職場復帰したいママは9割超! 都のベビーシッター利用補助で待機児童問題の解決なるか?

pixta_15437330_S.jpg


東京都は、ベビーシッターを利用する親に対し、月額最大28万円を支給するための予算を計上することを発表しました。これは2018年度の新たな待機児童問題対策として掲げられたものです。約1500人のシッター利用を想定しており、予算は50億円ということです。

2016年には「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名ママのネット上でのつぶやきが話題を集め、社会問題となった待機児童・保活問題ですが、まだまだ解決にはほど遠いのが現状です。新たな施策は「子どもを預けて働きたい」と悩むワーキングママたちの希望の光となりうるのでしょうか。

ベビーシッター補助には肯定的な声が多い

雇用が不安定になったことや女性の社会進出が進んだ結果、共働き世帯が増え、子どもを預けて働きたいというニーズは増えています。そういった親の層は特に都市部に集約されており、保育施設の慢性的な不足に加え、保育士も足りない状況が続いています。また用地の確保も難しく、周辺住民らの反対などもあって新規の施設をつくることはより難しくなっています。

だからこそ、特に都市部で働くママたちにとって「保育園に落ちたらベビーシッターに預ける」という選択肢は現実的なものとなるわけです。十分に「アリ」な選択肢ということになります。

d11508-99-804655-1.jpgキッズライン総研「都内550ワーキングマザー55名シッター利用に関する調査」


実際に都内で働くママたちは、今回の都の発表をどう考えているのでしょうか。株式会社キッズラインが、都内在住でなおかつシッター利用経験がある働くママ550 人に調査したところ、「賛成」と答えた人が86.4%で、「反対」の13.6%を大きく上回る結果となりました。「ありがたい」「アイデアが斬新」といった声もあり、肯定的な意見が多く見受けられます。

d11508-99-965788-3.jpgキッズライン総研「都内550ワーキングマザー55名シッター利用に関する調査」


また、「もし自分の子供が待機児童になるor過去に待機児童になっていたら、ベビーシッターを利用して復帰したいか」という問いには、91.5%のママが「利用したい」と答えています。「保育園に入れなければ退職しなければならなかったので、預け先があるだけでありがたい」といった意見もあり、子どもの預け先に苦戦するママたちの現状がうかがえる結果となっています。

少数派ではありますが、「利用したくない」と答えた人からは、資格の必要のないシッターに子どもを預けられるのか、その信頼性や安全面を疑問視する声も挙がりました。

pixta_28179750_S.jpg



待機児童解消への期待は高まっているが...

それではベビーシッターをあえて利用する利点にはどのようなものがあるのでしょうか。キッズラインでベビーシッターを利用したことがある人のメリットベスト3は以下のような結果となっています。

送迎が必要ないから便利

  • 子供が慣れている自宅で預かってくれるから安心
  • 病児の時も預けることができる

他にも、「経験豊富なシッターさんが多く、臨機応変、柔軟な対応をしてもらえる」という声や、「自分の働き方に合わせて依頼することが可能だから、時間の融通がきく」といった意見もありました。

確かに集団保育とは違った、ある意味「オーダーメード」のようなきめ細やかな対応を期待することもできそうです。

それでは今回のシッター代補助が、待機児童解消につながっていくのでしょうか。その点についてはほぼ半分に意見が分かれました。

d11508-99-958381-4.jpgキッズライン総研「都内550ワーキングマザー55名シッター利用に関する調査」


待機児童解消につながるという意味で「はい」と答えた45.8%の人たちからは、「希望した認可保育園に預けられず、もし遠方や不安要素のある認可保育園に預けあければならないなら、選択肢が広がるのはありがたい」といった声が聞かれました。

一方、「いいえ」と答えた人は「はい」をやや上回る54.2%。取り組みそのものについては評価するものの、「その予算で保育士の待遇を改善し、人材不足を解消することが先決では」といった声もありました。保育士は子どもを預かる重責があり、激務ながらも待遇があまりよくないといわれています。離職率も高く、保育士の待遇改善などにこそ取り組むべきだというのはもっともな意見です。

働くママが子どもを預ける選択肢が増えたことは、歓迎すべきことだといえるでしょう。ただ、平成29年度4月時点で東京都の待機児童数は8586人となっています。利用想定人数の1500人とはかけ離れた数となっており、このサービスをすべての人が受けられとはいえないのです。

子どもが減っている日本において、子どもを預けて働くことがこんなに難しいという現状。根本的な対策を講じない限り、待機児童が完全に解消するのは、まだまだ遠い先のことになるでしょう。

文/本山ことま

PAGE TOP