残業はなくなる!?「働き方改革」でワークスタイルはどう変わるのか

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政府は今年4月、罰則付きの残業時間の上限規制や、高度プロフェッショナル制度の導入などを柱とした、働き方改革関連法案を閣議決定しました。

過労死やうつ病につながる長時間労働の是正や、多様な働き方を認めて生産性を引き上げることを目的に、2019年4月から適用予定というこの法案。70年ぶりに労働基準法が改革されるとして話題になっていますが、私たちの働き方にどのように影響してくるのでしょうか?

働き方改革関連法案って、なぜ必要なの?

労働基準法の歴史的な大改革として注目されている働き方改革ですが、そもそもどのような背景で検討されることになったのでしょうか?

まずは長時間労働の問題。日本の労働時間の長さは、国内だけではなく海外からも問題視されています。2013年には国連から、長時間労働とそれによる過労死の発生を是正するように勧告されています。

次に労働生産性の問題。内閣府が発表した2015年のデータによると、OECDに加盟する35カ国の中で、日本国民一人あたりの名目GDPは20位。つまり労働時間は長いのに、生産するものは少ない(労働生産性が低い)ということです。日本の国力維持には労働生産性の向上が不可欠。しかし、労働人口は1995年以降減少を続けていて、2060年にはピーク時の半分になってしまうと言われています。

そして、非正規社員と正規社員の格差問題。現在は、同じ労働をしていても、非正規社員の賃金は正規社員の6割程度だと言われています。政府は消費者物価指数の上昇を目標として、デフレからの脱却をめざしています。

が、しかし、格差を解消してすべての労働者の賃金を上げ、消費を促進しないかぎり、この目標は実現できないと言われています。

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改善? 改悪? 具体的に何を改革するの?

では働き方改革関連法案は、現状をどのように変えていくのでしょうか? 主な改革点を挙げてみました。

〇長時間労働の是正(罰則付きの残業時間の上限規制)
現在の労働基準法では、労働時間の上限を1日8時間、週40時間と定めています。しかし、必要な書類を届け出れば、定められた時間を超えた労働が実質可能でした。今回の改正では、この延長時間にも上限を定める方針です。

〇労働生産性の向上(高度プロフェッショナル制度)
高度プロフェッショナル制度は、【労働時間と成果の関連性が低い職種で、年収が一定以上の労働者】について、残業代ではなく成果に応じた賃金を支払う制度です。成果を出せば良いため数時間で帰宅することもできるなど、柔軟に働くことができるようになります。ただし「残業代ゼロ制度」などとも呼ばれ、まだ問題も多そうです。

〇賃金格差の是正(同一労働同一賃金)
同一の労働に従事する労働者には、同一の賃金を支給するという制度です。これにより正規、非正規の区別なく労働が評価されるため、モチベーションの向上に繋がります。また、労働者全体の所得向上は消費意欲を促進し、デフレの解消にも効果があるといわれています。

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賃金格差の是正などは国としてぜひやってほしいことですが、この法案は一方向の改革ではありません。改革によって企業のあり方が変われば、必然的に私たちの働き方も変わることになります。言われたことをそのままやって、残業し賃金を受け取るのではなく、みずから工夫して生産性を向上させ、成果を出すことこそが重要になるのではないでしょうか。

文/長田 小猛

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