
『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』 (横田 健一/KADOKAWA)第7回【全7回】
「貯蓄から投資へ」という流れの中で、60代になり「お金の貯め方・増やし方」だけでなく「賢い運用法」に悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)は、そんなシニア世代に向けた一冊。ライフプランニングと投資に精通した著者が、これからの時代に合った資産運用、年金の最適な受け取り方、そして大切な資産を長持ちさせるための「取り崩し方」を分かりやすく解説します。単に増やすだけでなく、人生を豊かにするための「賢いお金の回し方」のバランスを見つけるヒントが満載です。セカンドライフを安心して、そしてより豊かに過ごすために、ぜひご一読ください。
※本記事は横田 健一(著)による書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』から一部抜粋・編集しました。
【リタイア後のお金】プールしておくお金
使うお金を確保しておけば安心して投資できる
「プールしておくお金」として5年分程度のダム資金を確保しておきます。
詳しくは後述しますが、「運用し続けるお金」の額と、取り崩す年数、想定する利回りなどから定期的に取り崩す額を決め、その金額を年金などの収入に加えて使っていきます。
その取り崩す金額の5年分(60カ月分)を、ダム資金としてプールしておくのです。
たとえば運用し続けるお金が1000万円、取り崩す期間を20年とした場合、想定する利回りが3%なら毎月約4万8000円、5%なら約5万2000円を取り崩すことができます。その5年分を「プールしておくお金」として確保します。利回り3%では、5年で288万円です。

なぜ5年分かというと、過去の実績をみると金融市場になんらかのショックが起きても、5年待てばマーケットがほぼ回復してきたからです。
たしかに、ITバブル崩壊やリーマンショック、そしてコロナショックが起こった際には株価が大きく下落しました。しかし、5年経っても株価が全く戻らなかったということは、過去にはほとんどありません。したがって、5年分を確保しておけば、マーケットが下がってもお金を使い続けることができる、というわけです。
介護準備金や5年分程度のダム資金をしっかり確保しておくこと、またなんらかのショックが起きても、5年程度あればほとんどの場合、マーケットが回復することを知っておけば、運用のハードルは下がるのではないでしょうか。
・本書の記載内容は、2025年4月時点の情報に基づいています。
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