起きたら背中の痛みで動けない!「脊柱管狭窄症」体験談

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ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:49
プロフィール:3人の子持ちママです。私が42歳のときに47歳の夫が脳梗塞で倒れ、右半身の麻痺と言語障害などが残りました。私自身も甲状腺の持病の他に、年齢とともに高血圧症や椎間板ヘルニアなどの病気が出てきています。夫の介護と育児、夜勤の仕事と忙しい毎日です。

7年前夫が脳梗塞で倒れたのを機に、専業主婦だった私は家計を支えるため仕事を始めることになりました。当時の私は42歳。商業簿記や珠算の資格は持っていて、ワードやエクセルなど基本のパソコンスキルもありましたが、ハローワークに通うも年齢的に事務職の求人はほとんどなく、結局年齢不問の通勤に便利な近所の食品工場に就職しました。仕事は夜勤で、内容はラインでのお弁当作りです。立ち仕事で、食材の入った10~15kgほどの箱を持ち上げたりするため、腰や背中に負担がかかり、就業時間後は全身ガチガチに凝り固まっている状態の毎日。お風呂上がりのマッサージと、湿布薬でしのぎながら、どうにか仕事を続けてきた5年目に、劇的な変化が訪れました。

ちょうど夏休みで、お弁当の受注が激増する忙しい時期でした。朝、いつもより1時間遅く仕事を終えた私は家に帰り、子どもと夫に朝ご飯を食べさせ、洗濯物を干すといういつもどおりの家事をこなしました。いつもなら夫にお昼を食べさせてから、子どもが帰ってくる夕方までの3、4時間を就寝時間に当てているのですが、さすがにこの日はくたくたに疲れてしまっていたため、正午くらいに目覚ましをセットして眠りにつきました。そして、目が覚めたのは13時ごろ。目覚ましの音にも気付かずに眠ってしまったことに驚き、急いで起き上がろうと体に力を入れた時です。背中に激痛が走り、私は思わず「ううっ!」と布団の中で、うめき声をあげました。

今までに、こんな激しい背中の痛みを感じたことはありません。少しでも体を動かそうとすると、ズキンと背中に痛みが走り、息がとまりそうになります。背骨が痛いのか筋肉が痛いのか、それともその両方なのか判断が付かないのです。布団の中から、居間にいるはずの夫を呼びました。夫は、脳梗塞の後遺症で右半身が麻痺していますが、リハビリの成果で自立歩行が可能な状態です。夫の手を借りてどうにか体を起こし、とりあえずパソコンで原因を検索してみることにしました。

「背中の痛み」で検索すると、単なる筋肉痛から椎間板ヘルニア、内臓の病気までさまざまな原因が書いてあり、とにかく整形外科を受診する必要があることが分かりました。車で10分の場所に整形外科があるため、最初は自分で車を運転して行こうと思いましたが、痛みで身動きができないため断念。結局、タクシーで向かいました。整形外科では、レントゲンを取り見てもらいましたが、はっきりとした原因が特定できないため、大きな総合病院の整形外科を紹介され、後日MRI検査をすることになりました。

MRI検査は、5日後。当日よりは若干痛みは和らいだものの、やはり少しでも動くと背中に強い痛みが走る状態です。「何か深刻な病気だったらどうしよう...」「もし、手術が必要だと言われたら...」とドキドキしながら、固唾を飲んで診断のときを待ちました。そして、下された診断名は「胸部脊柱管狭窄症」という聞きなれないもの。「胸あたりの背骨の脊柱管という隙間が狭くなっていて、神経を圧迫して痛みが起きている状態」とのことでした。麻痺や歩行困難などの深刻な症状がでれば手術という選択肢もあるが、現在の所は鎮痛剤で痛みを緩和して、安静にして様子をみようということに。

脊柱管狭窄症は、加齢によるものや、私のように仕事で重い荷物を持ったり、前かがみで作業する人に出やすいそうです。加齢も原因の一つになることを知り、若いつもりでも体は正直なのだと痛感しました。

処方された鎮痛剤を飲んでも痛みが大きかった1週間は仕事を休みましたが、生活がかかっているため長くは休んでいられません。仕事をしても良いか医師に尋ねたところ、「なるべく重いものを持たなくてすむ仕事に変えて貰うように」とのアドバイスが。そこで、診断書に自分で作った「配置転換願い」を添えて直属の上司に相談しました。すると、「大変だったね」と、すぐに背骨に負担がかからない部署へ移してくれたのです。内心、どんな反応が返ってくるのかドキドキしていた私は、温かい対応に思わず涙腺が緩んでしまいました。心や体が弱っているときに向けられる人の優しさは、ひときわ心にしみるものですね。

その後は、湿布と鎮痛剤で少しずつ痛みは和らいでいき、幸い2カ月ほどで痛みはすっかりなくなりました。しかし、病気が治ったわけではないので、仕事中はコルセットを装着し、極力背中に負担をかけないように気を付けています。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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