「もし、『夫が認知症かも』と不安を感じたらどうしますか? 私たちは結婚30周年を迎え、仲良く暮らしています。65歳を迎える頃から言動がおかしくなった夫。検査を勧めるまでの私の葛藤の日々をお話します」
■65歳の夫との会話に不安を感じて...
これは私が勇気を出して夫に認知症検査をすすめたときの話です。
私の夫は私より7歳年上で、典型的な亭主関白。頑固な性格で自分で決めたことを曲げることが大嫌いでした。
しかし、家族想いでいつも家族のために仕事をし、仕事と家庭を両立してくれる人だったので、特に苦に感じることもなく毎日を過ごしていました。
夫が65歳のときのことです。
自分の意見を曲げず、一度言ったことを変えない夫の言動が二転三転するようになってきました。
しかし、年齢も高齢者と呼ばれるような年齢だったので、年を取ったのかなと感じるくらいであまり気に留めていませんでした。
ですがそれから数カ月経つと、夫が同じ話をすることが気になるようになってきました。
数日前に話した内容を同じように話したり、はたまたそれに対して以前と全く違う見解を話すようになり、夫との会話に不安を感じるようになりました。
この頃から「もしかしたら認知症?」と疑問を持つようになりました。
以前、夫と一緒にテレビの認知症特集を見ていたときに、軽い気持ちで夫に「検査してみる?」と聞くと、「自分はそんなことない」と言って機嫌を損ねたことがありました。
さらに私自身も大好きな夫に対して「認知症かもしれない」という疑いを持ち、検査を強要することが怖かったのです。
一番近くにいて大切な人だからこそ、言いたいことがうまく言えないという思いをこのとき改めて痛感したように思います。
それでも、このもやもやした気持ちのままで夫の隣にいるのがつらくなっていました。
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