「50代の女性です。昔働いていた職場で、私を慕ってくれた後輩の話なです。若い子の『応援しますよ』は怖いなって思いました」
■早とちりの「コイバナ」で暴走した後輩
20年ほど前、私が35歳だった頃の話です。
若くてかわいい後輩Hさん(当時26歳)から、笑ってしまうほど理不尽な仕打ちを受けたことがあります。
Hさんはずっとネイリストをやっていたそうで、ちょっとギャルな見た目と派手なネイルで入社してきました。
Hさんは事務が初めてで、PCの電源の場所も知らず、文章入力もままなりませんでした。
「小さい『っ』はどう打つんですかぁ?」
そんな初歩的なタイピングから教えました。
ショートヘアで目が大きく、ギャルメイクをしたかわいい子でしたが、人見知りするのか、見た目と違って実はおとなしい印象でした。
しかしだんだん慣れてくると、私とちょっとした雑談もするようになりました。
そんなある日の雑談で、私が同じ会社のOくんがかっこいいという話をしていました。
ただ、私は「Oくんのことが好き!」というわけではなく、たま~に話せればちょっと嬉しい...という程度だったのです。
ですが、この話を聞いたHちゃんは妙に張り切ってしまったのです。
「頑張りましょうよー! 私、情報を聞いてきます!」
Hさんがそう言い出した時、なんだか嫌な予感がしました。
■「えーーーーーー!?」しか言えないことが現実にはある
Oくんと同じ部署に野球好きな人がいました。
Hさんも野球好きだったので、その人と野球の話題で仲良くなることに成功。
そして、Oくんの情報を仕入れてきたのです。
「Oさんのこと聞いて来ました! カラオケでは女の子に『恋におちて』を歌って欲しいらしいですよ! 今日から練習ですよ!」
私は、そういうのじゃないんだよな...と思いつつ「ふーんそうなんだぁ」としか言えませんでした。
そんな日々の中、Hさんはさらに暴走し、Oくんがいる部署の野球好きな男性陣と「飲み会を設定してきました!」というではありませんか。
いや、何度も言うけどそういうのは違うんだよ...。
しかしその飲み会で、まさかの仕打ちが待っていたのです。
Hさんはあろうことか飲み会が始まってすぐに、「では、歌いまーす!」とカラオケに曲を入れました。
マイクを握るHさん。
流れてきたイントロは「恋におちて」(笑)。
「えーーーーーー!?」
「Oくんが女の子に歌って欲しい曲」と情報を仕入れてきて、私にあれほど言っていたのに「あんたが歌うんかーい!」と、怒るよりも笑ってしまいました。
私は歌う気はありませんでしたが、半ば強引に飲み会に連れてこられ、取り持たれるかと思ったら梯子を外され(?)、なんだかちょっと自分が不憫な感じもしました。
その後、飲み会の途中で熱血巨人ファンのHさんが阪神ファンのおじさんと本気の言い合いをして泣き出すなど大騒ぎ。
私はなんで来たんだろう...と、後悔ばかりの時間でした。
次の日以降もHさんに「どうしてあの曲を歌ったの?」とは聞いていません。
もちろん、HさんとOくんもなにもありませんでした。
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