「60代女性です。私が通院している、朝から行列のできる病院で起きた出来事です。その日も大勢が並んでいたのですが、受付が始まったとたん、するりと一番前に割り込んだ人がいて...みんな唖然としていたのですが、話はそれだけでは終わらなかったのです」
■順番待ちの一番前にスルりと入り込んできたあの人は?
先日、持病を診察してもらうために最寄りのクリニックに行きました。
近所でも評判の腕の良い医者で、毎日とても混雑する病院です。
いつも受付開始の30分ほど前から人が並び始め、ドアが開くと同時に待合室が満室になります。
その日は雨上がりで、やけに肌寒い日でした。
隣の方と「寒くなってきましたね」などと雑談しながら、ブルブルと震えて待っていました。
受付開始の時間になり、病院の受付の方が鍵を開け「お待たせしました」と申し訳なさそうに挨拶してくれました。
すると、時間通りにドアが開いたその瞬間、横付けされた車の助手席から50代くらいの女性がスルりと降りてくると、列の一番前に入ってきたのです。
もしかして一番前の人の知り合いかしら? それとも急病? と気になったのですが、一番前で待っていた人もあっけにとられた様子で、後ろに並んだ人と顔を見合わせたり、指さしたりといった様子がありました。
どうも知り合いではないようです。
ちなみに、横入りしてきた当人は一番に受付を済ませ、待合室のソファーにどっかりと腰掛け、すました顔をしています。
■「私は一番前に並んでいた!」待合室に響き渡る怒鳴り声
受付のスタッフは気づかなかったようですが、最初にドアを開けたスタッフさんが列への横入りに気づいたのか、その女性に声をかけました。
膝をついて、私から見ても丁寧だなあと感心するような態度です。
ですが、その声をかけられた女性はすごい剣幕で「私は一番前に並んでいた!」と、待合室に響き渡る声で言ったのです。
あまりの大声に、待合室も水を打ったように静まり返ってしまいました。
受付の方はこのような方にも慣れているのでしょうか、最初に並んでいた方に声をかけ、恐らく先に案内することを了承してもらったのでしょう。
すぐに受付に戻りました。
「触らぬ神に祟りなし」と、みんな見ないふりをしてやり過ごしたのですが、診察室からまた大声が聞こえ、その人は足音荒く出ていきました。
変わった人もいるものだと、目を合わせないように下を向きながら思いましたが、幸か不幸か一番前に横入りしてくれたおかげで、短い時間しか一緒の部屋におらずに済みました。
お会計を済ませて出て行ったその人がドアを出た瞬間、緊張がとけました。
きっと待合室で待つ人たちもほっとしたことでしょう。
それにしても、病院で久々にヒヤヒヤする体験をしました。
こんな非常識な人には出会いたくないものです。
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