「50代の女性です。病院で長い時間、待たされる経験は誰にもあると思います。診察時間は人それぞれなので、ある程度はみなさん我慢しているはずですが、ルールを守らない人がいると腹が立ってしまいます」
■予約時間に遅れたのに自己都合でごねて割り込む男性
いまから10数年前、完全予約制の病院に行った日のことです。
いつもは比較的スムーズに診察が進むのですが、その日は珍しく混んでいて、待合室はほぼ満席状態。
予約時間を過ぎてもなかなか呼ばれずにいました。
予約制ではあるけれど、基本的には受付順で呼ばれるため、患者は予約時間の5分くらい前を目安に受付をすることが暗黙の了解になっていました。
診察の進行状況で病院が混んでしまうのはあるあるなので、私を含め、みなさん大人しく自分の番を待っている感じでした。
そんなところに1人の男性(20代後半)がやってきて、受付を済ませて椅子に座りました。
その時点で私はすでに20分くらい待っていました。
それから5分程が経過したころ、その男性が受付の女性(20代前半)に「10時の予約で来たのにまだ呼ばれない」と言っているのが聞こえてきました。
「今日はとても混んでいて、お呼びするまでもう少しお時間がかかると思います」と、当然の説明をする受付女性。
10時は私と同じ予約時間。
男性は15分も遅刻してやってきているのです。
それにもかかわらず、まだ呼ばれないとクレームをつけるとかちょっとあり得ない...みんな時間を守った上で待っているのに、と呆れて聞いていると、その男性は「急いでるんだけど、なんとかしてよ」というではありませんか。
「嘘でしょ、よくそんなこと言えるな。だったらまずは予約時間を守りなさいよ」
対応している受付女性に同情の念を感じながらそんなことを考えていると、なんとその次にその男性が呼ばれて診察室に入っていきました。
「えー どういうこと!?」と戸惑いましたが、どうやら病院側が男性の言い分を受け入れて割り込みをさせたのです。
みんなそれぞれの事情がありながら待っているのに、そんな勝手な言い分を通してしまうなんて...。
受付女性への不信感も湧いてきてモヤモヤしていると、その次に私の順番が回ってきました。
納得のいかない私は、診察後、先生にこの一連の件を伝え「やむなく順番を変えるにしても、一言くらい説明がほしかったです」と訴えました。
■割り込みに不満を言った私の行動は正しかったのか?
診察が終わり、待合室で会計を待っていると、当然のように割り込み男が会計を済ませて先に病院を後にしていきました。
続いて私の番が回ってきたのですが、どうやら受付女性は先生から私の訴えを聞いたらしく、「先ほどはすみませんでした」とお詫びの言葉を口にしました。
しかし、どうにも不満そうな態度と口ぶりでした。
確かに彼女からしたら、2人の患者から不満をぶつけられ、面白くなかったのでしょう。
私はいつもより長い待ち時間で、少しイライラしてしまっていたのも事実だと思います。
割り込み男に勝手過ぎる主張をされ、困ってしまった彼女の気持ちも分からなくもありません。
それゆえに一言「申し訳ありませんが、こちらの患者さんを優先させていただきます」と言ってもらえれば、私はそれでよかったのです。
それに、そんなことがまかり通ってしまえば、今後も同じことが起こるのではないか? そんな余計な正義感も私の中にあったのかもしれません。
いまでもこのことを思い出すと、どうするのが正解だったのだろうかと考えてしまいます。
結局のところ、諸悪の根源は遅刻の割り込み男ですけどね。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。