アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■お蕎麦屋さんでアルバイトを始めた私が見たものは...
私(43歳)が大学生の頃の話です。
当時住んでいた自宅近くのお蕎麦屋さんで、アルバイトを始めました。
アルバイトに応募して採用されたときには、その店が県外からもお客さんが来る有名なお蕎麦屋さんとは知りませんでした。
大晦日でなくても、土日はお昼の営業時間2時間前から行列、大晦日は早朝から行列ができるほど繁盛していました。
私の仕事は簡単な調理補助、お客様の案内、料理出し、後片付けでしたが、とにかくお客さまがひっきりなしにくるので、アルバイト初日からてんてこ舞いでした。
そのお店は、みんなが「おかみさん」と呼んでいたAさん(当時50代)と夫のBさん(当時50代)の夫婦が経営していました。
お店はカウンター、テーブル席が5~6つ、10人ほど入れる掘りごたつ式の和室が2部屋、さらに個室も3つありました。
駐車場は何十台もあり、「都会でこれだけの駐車場の規模のお蕎麦屋さんってすごいなあ」と、外食をほとんどせずに育った私はびっくりしました。
お店の入り口には小さな滝がある日本庭園があり、厨房にはお蕎麦を打つ人、茹でる人、天ぷらを揚げる人など大勢の人が働いていました。
仕事の服装が和服だったのも、当時大学生だった私は「上品で素敵だな」と思ったものです。
でも、実際の環境はとんでもないものでした。
■毎日のように飛ぶオーナーの怒号...実態は最悪なブラック店!
まずはおかみさんのAさん。
接客スタッフは、社員さん、アルバイトさんも含めて全員、簡易的な和服を着ていたのですが、ずっと仕事をしていると、どうしても着崩れてしまいます。
それに気づいたAさんは、テーブルに置いてある台拭きを和服が着崩れていた従業員に投げつけ...。
「なんだ、その、着崩れは! 早く片付けないとウチのお客さんの行列が減らないだろ!」そう怒鳴るのです。
Bさんに至っては、もっと酷いことをしていました。
蕎麦を茹でている大きなお釜の煮えたぎっているゆで汁をひしゃくでパッとすくい...。
「もっと早く動け! グズ!」
などと聞くに堪えない罵声を浴びせるのです。
私は仕事中も怖くてビクビクして、すぐに辞めたいほどでした。
「こんな店、やってられないわ!」
「俺たちのこと、なんだと思ってるんだ! 常連客にだけは愛想振りまいて!」
みんなそう言って、早い人だと1~2カ月で辞めていきました。
ただ、なぜか私はAさんとBさんに気に入られて長く働くことになり、結局、辞めたのは我が家の引っ越しが決まったときでした。
なんとこのお店、20年経ったいまも行列ができ、テレビでも「人気店」として登場しています。
私を含め、当時一緒に働いていた人も不満を口にしていました。
噂ではAさんもBさんも健在とのこと。
あんなパワハラ夫婦の経営するお店がなぜずっと人気店なのか、アルバイトを辞めた後、一度もそのお蕎麦屋さんに行っていない私は不思議で仕方がありません。
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