「40代の女性です。以前、派遣社員として働いた会社で起こった騒動のお話です。羽振りがよくて、女子社員に人気のイケメン営業担当者には、驚きの裏の顔がありました」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■イケメン営業担当者の秘密が露呈
私(47歳)が20代の頃、短期派遣社員として半年ほど働いていた、とある中堅企業で起こった出来事です。
私が派遣されたのはその会社の営業所で、6名ほどの社員がおり、そこにDさん(当時30歳前後)という営業担当の方がいました。
Dさんは仕事がバリバリできるタイプではありませんでしたが、背が高くイケメンだったため、女子社員から人気がありました。
また、高級品が好きで、ブランドものの腕時計や革カバンなどを所持。
先輩の男性社員はいつも「アイツは俺と給料が変わらないはずなのに、やたらと羽振りがいい」とボヤいていました。
他の社員も「きっと金持ちのボンボンに違いない」と噂していました。
そして、私の派遣が5カ月ほど過ぎたある日、事件が起こりました。
本社の役職者(当時50代)がものすごい剣幕でやって来たのです。
「Dはフロアにいるか!」
声を荒げながら会社に入ってきたため、オフィスは騒然。
どうやらDさんが横領していたことが発覚し、その聞き取り調査に来たようでした。
当時Dさんは3日ほど体調不良を理由に休んでいたのですが、実際には横領が発覚し、自宅謹慎になっていたのです。
■イケメンセレブ社員から一気に転落
Dさんは売掛金の回収を操作していたそうです。
会社の事業は「B to B(企業が企業を対象に行うビジネス)」で、営業担当者には3カ月先までの売掛の裁量が認められていました。
そのシステムを悪用していたDさん。
たとえば、新規契約を結んだA社の支払い開始期日を「翌月から」に設定します。
A社は契約通り、翌月から支払いを開始。
しかしDさんは、会社にはA社の支払い開始期日を「3カ月後から」と偽装報告。
最初の2カ月に集金したお金を、自分のポケットに入れていました。
最後に帳尻を合わせる必要がありますが、継続で購入する商品なので、契約は半永久的に続きます。
しばらくは放置できると見込んでいたようです。
Dさんは担当する十数社で、このような偽装を行っていました。
他の営業担当者がほぼ翌月の売掛なのに、Dさんだけが3カ月先の売掛ばかりだったことが不審がられて調査した結果、発覚したようです。
横領総額は約800万円。
Dさんは、そのお金でブランド品などを購入していたようです。
すぐにDさんの両親が本社を訪れ、全額を返済して、刑事告訴しないように涙ながらに懇願されていたそう。
結局、会社は実質的な損失はなかったということで、刑事告訴を見送りました。
中堅とはいえ、地元では知られた会社だったため、不祥事が外に漏れるのを避けたい思いもあったようです。
管理体制の甘さをさらけ出すのは、会社にとってもマイナスです。
Dさんはその後、懲戒解雇。
「横領」という言葉はニュースでもよく耳にしますが、まさか自分の身近で起きるなんて...。
衝撃的な出来事でした。
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