「お金は家族も壊す魔物」土地をめぐり争う子どもたちに祖母は悲しみ、その結果...

「40代の女性です。祖母が大切にしていた土地を巡り、どんどん仲が悪くなっていく子どもたち。そして、うんざりした祖母が下した決断は...」

アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?

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■祖母の畑が高額で「買い取る」と迫られて...

20年ほど前の話です。

祖母(当時78歳)の生まれた家は代々続く農家です。

祖母の代で農家をやめ、少しずつ畑を処分したそうで、この話の出来事があった20年前には小さな畑しか残っていませんでした。

それでも家で食べる野菜を作る分には充分な広さがあり、祖母が趣味で続けていました。

20年前のある日、とある不動産会社の男性が訪ねてきて、祖母にその畑を売ってほしいと言ったそうです。

どうやら大きなマンションを建てる計画があり、この畑を高額で買い取ると言ってきたとか。

その金額に祖母はとても驚いたそうですが、「代々からの畑はもうこれだけなので売りたくない」と断ったそうです。

しかし、何度も何度も不動産会社の男性は祖母に会いに来て、売買交渉をしてきたそうです。

次第に買取希望の金額が上がっていき、祖母も困ってしまい、長男(当時56歳)、長女(当時54歳)、次女(当時51歳)の3人の子どもたちを集めて、畑の売買について相談しました。

祖母はその土地を「売る気はない」と話したそうですが、長女と次女は金額に驚き、絶対に売るべきと祖母を何日間も説得したそうです。

■畑をめぐって仲違いする子どもたち。そして祖母は決意

説得されていくうちに、自分ももう歳で、子どもたちに残してあげられるものが何もないことを考え、次第に売ろうかと考えが傾いていった祖母。

しかし、その頃から子どもたちの様子が変わっていきました。

それまでは忙しいとか適当な理由をつけて、何年も祖母の家に近寄らなかったのに、この話があってからは仕事の帰りや休みの日に、代わる代わる祖母の家に来るようになったのです。

祖母は、最初は嬉しかったそうですが、長男と長女はお金のことばかり口にするようになりました。

家に来ると、世間話から始まって、最後には必ず「お金に困っている」と言い出し、祖母が畑を売った場合の取り分を主張してきたそうです。

祖母は、子どもたちで分ければいいと思っていたそうですが、長男と長女は「自分は長男、長女だから多くもらう権利がある」と責め立ててきたとか。

長男と長女は祖母の家に来るたびに仲が悪くなっていき、しまいには祖母の家でお互い会っても無視。

祖母はうんざりすると同時に悲しくなり、「畑は何があっても絶対に売らない。自分が死んだら売って、7人いる孫に等分に分ける」と宣言し、それを遺言状に書いてしまいました。

祖母の決意は固く、もう2度とこの話題は口に出すなと長男、長女に告げたそうです。

そのとき、祖母はどれほど悲しかったでしょう...。

しかし、そんな祖母の気持ちも知らない子どもたちの仲は改善されることもなく、祖母は他界しました。

結局、祖母の遺言状通りに畑を売りましたが、マンションの話も立ち消えになっており、二束三文の値段で買い取られたそうです。

そのお金は孫で7等分しました。

ちなみに、この祖母は私の母方の祖母です。

母は次女だったので、兄と姉が争うのを、祖母と同じく悲しい気持ちで見ていたそうです。

「お金は家族も壊す魔物だよ」と、母はいまでも言っています。

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