アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■辛いもの好きにもほどがある...辛味に取り憑かれた男
40年ほど前、大学生だった頃の話です。
大学の同級生のEくん(当時21歳)には、他の追随を許さない抜きん出た特徴がありました。
それは「超辛党」ということです。
読んで字のごとく、何でも辛くしないと気がすまない性格でした。
「小腹が減ったよね。ピザを頼んで分けないか?」
Eくんと知り合ったばかりの頃、突然の休講で空いた時間に喫茶店に入ったときのことでした。
私たちは早速注文しました。頼んだピザがテーブルに届き、さあ食べようというときです。
「こっち半分、俺でいい?」
Eくんが言いました。
きちんと分けないと気がすまない人なのかな、と思い了承すると、彼は脇にあったタバスコを、自分の分とした側のピザにダブダブとかけ始めました。
驚いて制止する間もなく、彼は真っ赤にした一切れにがぶりと食いつきました。
改めてタバスコの瓶を見ると、おろしたてだったその瓶はすでに半分ほどになっていました。
これはえらいことになった、タバスコを知らないのか、と恐る恐る彼の方を見ると...。
「うん! うまい!」
そう言いながらニコニコしてこちらを見ています。
真っ赤な口元に恐怖を感じるほどの衝撃の光景でした。
いまでこそ「極辛」が売りの店がありますが、当時は辛いもの好きといえば少数派、その中でも彼は異彩を放っていました。
ラーメンには胡椒とラー油を大量に入れます。
学食の味噌汁には備え付けの唐辛子の瓶が空になるほど投入し、焼肉屋に行けば1人でコチュジャンを食べ尽くし、おかわりを頼むほどでした。
■チャレンジグルメ! 極辛ラーメンも彼にかかれば...
そんなある日、共通の友人からこんな噂を聞かされました。
「極辛ラーメンっていうのがあってさ、30分以内に食べきったら無料になるらしいぜ」
こんな話にEくんが反応しないはずもなく、さっそくそのラーメン店に出かけました。
彼はもちろん「極辛ラーメン」を注文(私は普通のラーメン)。
出てきたラーメンはまさに真っ赤で、私は漂ってくる湯気だけで目が痛くなるほどでした。
一口スープを分けてもらいましたが、それだけでしばらく何も口にできなくなるような辛さです。
しかし、彼は何事もないように美味しそうに麺をすすり、ものの10分足らずでスープまで完食してしまいました。
「完食しましたよ。料金無料ですよね」
Eくんが店主に告げました。
「ああ、挑戦する人はあらかじめ言ってもらわないとねえ...黙って食べちゃあだめだよ。残念だったねえ...」
ニヤニヤしながらうそぶく店主に、Eくんは平然と言い返しました。
「じゃあ極辛ラーメンをもう1杯。料金無料のチャレンジします」
呆気にとられた店主は、明らかにさっきより辛そうなラーメンを出してきました。
これならどうだ、とばかりの不敵な笑みで店主が開始を告げると、Eくんはこれもまた10分足らずで完食してしまいました。
「おいおい、平気なのか?」
目を丸くして驚いている店主に、Eくんは不敵な表情で言いました。
「2杯目のほうが美味しかったですよ」
Eくんは茫然自失な様子の店主を尻目に、意気揚々と店をあとにしたのでした。
こんな体質の人、世の中にいるんですね。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。