※この記事は、過去に掲載した記事を再編成したものです
近所に一人で住んでいる義母が、持病の目まいを起こして救急車で病院に運ばれ、安静のために数日入院する事になりました。
数年前にも同じ様な事がありましたが、そのときはまだうちの子供が小さかった事もあり、義妹が色々とやってくれました。
「今度は私が役に立ちたい」と思い、義妹に「任せて」と言った私。
入院に必要な身の回りの物を取りに、義母宅に向かいました。
その義母宅で、気になるものを見てしまったんです。
私は居間以外に踏み込むのは初めて。
恐る恐る上がりました。
すると、さすが普段は元気で活動的な義母。
家の中はきちんと片付いていて、我が家が恥ずかしいくらいでした。
着替えを取りに寝室に入っていくと...10畳の部屋の一角に、山と積まれた箱がありました。
同じ様なサイズの白い箱の数々。
好奇心が沸いて、幾つか中を覗いてみたところ...冠婚葬祭のお返しや引き出物でした。
私が嫁いだ頃は、この辺りではお葬式は自宅で行うのが一般的。
町内会の人達が取り仕切っていました。
義母からも「女性は家の中の片付けや振る舞いを担当して、味の濃い薄いなど意見が分かれるので大変だった」と聞いたことがあります。
そうして手伝ってくれた人へのお返しに、バスタオルやシーツといった日用品を、お茶などの乾物と共に渡すのがお約束になっていたようです。
それは良いのですが、問題は「いつのものか」ということです。
幾つか箱を開けてみると...やはり乾物は全部賞味期限切れ。
古い物では5年前に切れているものがありました。
そもそも義母は、賞味期限に対して「生モノでなければ味が変わるまでOK」という考え方。
乾物は「いつか食べよう」という気持ちでしまっておいたのでしょう。
そしてタオルなどの日用品は「いずれは使う物だから」と倹約の精神でとってあるのだと思います。
こうしたものを私は頂いた事がないので、十数年前、私が嫁いで来る前からの物もあるかもしれません。
このままずっとこの一角に積み上げられたまま、何年、何十年後かに...私が処分をする事になるの?と考えると怖くなりました。
気を取り直して身の回りの物を揃えて、入院中の母へと届けました。
その時に「頂き物は溜め込まないで下さいね」と言いたかったのですが、必要のない所を覗いた「後ろめたい気持ち」と、それを咎められる様な気がして、言い出せませんでした。
それ以降、「義妹は知っているのだろうか」なんて事も考えたり...ずっともやもやしています。
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