「55歳の女性です。3年前、ご近所さんの庭に白い子ヤギがやって来ました。その家は我が家の裏側にあり、子ヤギは最初は可愛く思えて散歩の途中で眺めるなどしていたのですが、そのご近所さんが次々と飼う動物を増やしたせいで苦しめられることになったのです」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■ヤギをペットに⁉ そして変わったペットが増えていき...
我が家の斜め裏に、町内で1番というくらい大きな家があります。
庭も広く、半分は家庭菜園、もう半分は子どもの遊び場となっています。
3年前のある日、動物の鳴き声が聞こえて窓を開けると、その庭で白い子ヤギが走り回っていました。
その家の人によるとペットとして飼うことにしたとのこと。
ヤギをペットに、しかもこんな住宅街で飼うのかと驚きましたが、「アルプスの少女ハイジ」に登場する子ヤギのようで、可愛くてそのときは気にしていませんでした。
鳴き声がするといっても小さく聞こえる程度。
私は母と散歩がてら庭の前を通り、子ヤギの鳴き声や見た目の可愛さに癒されていました。
それから数カ月後、裏から聞こえる鳴き声がいつもと違う気がして窓から覗いてみると、そこには黒い子ヤギがいました。
「えっ⁉」
ヤギが1匹増えていたのです。
慌てて母に伝えると「寂しいから2匹にしたんじゃない?」と気にしていませんでしたが、その頃から私はメェメェという鳴き声が気になり始めました。
少しずつ、子ヤギたちが成長するにつれて鳴き声も大きくなりました。
特にお腹が空いて餌が欲しいと呼ぶ声や、見物に来た子どもたちが帰った後は寂しいのか、なかなか鳴きやまないので耳に付きました。
私はイヤホンをつけて音楽を聴くなどして、できるだけ鳴き声が聞こえないようにしたのです。
それから1年後、大きく成長したヤギたちのもとにまた2匹の子ヤギがやってきました。
もう言葉が出ませんでした。
大声で鳴く2匹のヤギと、か細いながらも絶え間なく鳴き続ける2匹の子ヤギ。
私はカーテンを閉め切ったまま、イヤホンも常に着けた状態で生活するようになりました。
今年に入って2匹の子ヤギも成長し、それぞれが大声で鳴くようになりました。
私は外出していても空耳で鳴き声が聞こえるほどになりクタクタ。
見物に来た人たちが「癒されるね」「可愛いね」と話しているのを聞くだけで、私はイライラして胃が痛くなりました。
特にしんどいのは朝です。
薄暗いうちにお隣さんは小屋を開けるので、私の目覚ましよりも1時間、日によっては2時間以上前から鳴き声が聞こえて眠れません。
隣の家の人に聞いてみても「困ったね」という程度。
母も多少気にしてはいるけれど、私が神経質なだけのようで話しづらくなりました。
そんなある日、買い物の帰りに裏の家に停まっている車の荷台を見たら、動物を入れるカゴらしきものが...。
慌てて家に入り窓から見てみると、今度は鶏とウサギ!
その日から裏の家の庭はまるでふれあい動物園のように賑やかになりました。
■もう無理...我慢できずに長年住んだ家を離れる決心を
動物たちの鳴き声と子どもたちの騒ぐ声で、私は我慢の限界でした。
これ以上動物が増えないうちにと必死でアパートを探し、家から車で15分程の物件を探すことを母に宣言。
母も私がしんどい思いをしていることは知っていたので反対はなく、ついに引っ越すことにしたのです。
アパートに移ってもしばらく、ヤギの鳴き声が聞こえる気がして眠れない日もありましたが、引っ越しから半年を過ぎていまは落ち着いています。
ただ、実家に帰ると相変わらず周辺には鳴き声が響いていて、そこで暮らしていた記憶がよみがえり鳥肌が立ってしまいます。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。