「反抗期真っ盛りの息子にイライラしていた私(43歳・女性)。そんな息子は修学旅行から帰ってきても相変わらず反抗期。『なに、その態度は?』と思っていたのですが...」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■親子の会話がなくなり、口を開けば小憎たらしい息子が修学旅行へ
小学6年生の息子は昨年から反抗期です。
「分かってる」「いまやろうとしてたのに」「別に」の3つが返事の主なパターンです。
息子は早産で生まれ、低体重児でした。
小柄で同学年の子たちと比べても、とても6年生には見えません。
しかも性格がかなりの甘えん坊で、母親の私のほうが「いつまでも『お母さん、お母さん』でいいのだろうか」と悩むほどでした。
しかし、いまはまるで別の子のようです。
こちらが何か言うまでは、息子から私に話しかけてきません。
話しかけるのは大体「お腹空いた」と「今度、学校で〇〇がいるんだけど」です。
それでも「やっと息子も反抗期が来て、これが必要な成長過程なのね」と、最初は嬉しかったほどです。
「反抗的っていっても小学生だしね」と簡単に思っていました。
しかし、頭では分かっていても、仕事や家事に加え、親の介護もしていて毎日疲れきっている私は、息子に対して余裕がなくなり、出てくる言葉がきつくなってきていました。
夫(54歳)が息子に「〇〇しなさい」と言うと、私が言ったときと反応が違い、素直にすぐに行動して、言い返すこともほぼありません。
男親と女親では、やはり息子にとって違いがあるのでしょう。
そんな様子を見ていると「母親の私にだけ、ふてくされて言い返すのはなに!」と、ストレスが溜まります。
そんな息子が9月に修学旅行へ行きました。
旅行中の様子は、学校から細かくメールが届きます。
「いまは〇〇にいます」
「今日は暑いので熱中症に気をつけて、〇〇寺に出かけます」
学校側が定期的に修学旅行の様子を知らせるなんて、時代が違うのねと思っていましたが、「無事に〇〇インターチェンジ到着。あと30分ほどで学校に到着です」とメールが来たときには「もうすぐ帰ってくる!」と嬉しくなってしまいました。
しかし、我が家に帰宅した息子に「おかえり〜楽しかった?」と言っても、息子は「うん。ただいま」とそっけない一言のみでした。
■素っ気ない息子になんだか寂しいなと思ったら...
私はなんだか自分だけ嬉しくなっていたのがバカみたいだと思いました。
会話が止まってしまったそのときです。
息子が「これ」と、私にそっけなく箱を渡してきました。
それは修学旅行先の名産の抹茶を使った「抹茶オレ」の顆粒タイプ。
しかも有名店で、決められたお小遣いのうち、かなり使わないと買えないものでした。
息子は私の顔は見ずに、修学旅行の荷物を片付けながら言いました。
「お母さん、家でも仕事してるから大変なんでしょ。僕は介護はできないし、ご飯も片付けとか手伝いしかできない。9月になってからお母さん、体調悪いのにずっと忙しそうだったから。お母さん、抹茶味が好きでしょ」
恥ずかしそうにそう言った後「疲れたから、本でものんびり読もうっと」と、自分の部屋に行ってしまいました。
「根は優しいもんね。反抗期なだけだもんね、ごめんね」と思いました。
息子が寝たあと、記念に抹茶オレの写真を撮り、気がついたら私は号泣していたんです。
もったいなくて息子のお土産はまだ開けていません。
在宅勤務の日、息子がくれた抹茶オレの箱を眺めては癒されています。
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