「誰にでもこれだけは欠かせない大切な味覚があると思います。私(61歳・男性)の場合は納豆がそうです。ただ、私の友人に『いくらなんでもそこまでは...』というハマり方をした味覚の持ち主がいるのです」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■友人がハマりにハマり、欠かすことのできない飲み物とは?
友人のHくん(60歳)は中学校からの同級生です。
中学校で仲良くなり、高校は別々だったものの、よくつるんで遊んでいました。
そんな彼が高校のときに初めて飲んで、一発で虜になってしまった飲み物があります。
それがジンジャーエール。
彼に言わせると身体の1つ1つの細胞に染み込んでいく味だった、そうです。
大のジンジャーエールマニアとなった彼は大学時代、「本場のジンジャーエールが飲みたい」と一言残し、単身イギリスに渡ってしまいました。
英語は不得意なのに、身振り手振りで1カ月の間、イギリスの各地を転々とし、地場のジンジャーエールを飲み歩いたそうです。
帰国後、土産話を聞こうと数人の友人とともに飲み会をしたところ、Hくんは日本の某メーカーのジンジャーエールを一気飲みして「うん! やっぱりこいつが一番うまい!」と、なんとも気の抜ける結論を披露しました。
以来、彼の家にはその某メーカーのジンジャーエールが大量にストックされています。
ちなみに、最低3ケースはないと不安になるそうです。
朝に1本、昼に1本という感じで5~6本を1日で飲み干すという生活です。
私が知る限り、このような生活を40年以上続けています。
■どんなときもジンジャーエール! しかし「いくらなんでも」の衝撃の場面に遭遇
彼はどんなときでも飲むのはジンジャーエールです。
洋食のときはもちろんですし、中華や和食、寿司を食べるときでも、傍らに置くのはジンジャーエールです。
彼いわく、風邪をひいたときでもジンジャーエールを飲んでいれば治るとのこと。
「ほら、生姜湯ってあるじゃないか、あれと同じだよ!」
その理論なら、毎日ジンジャーエールを飲んでいるHくんは、そもそも風邪をひかない気もするのですが...自信満々で持論を述べるのです。
最も驚く出来事に遭遇したのは2003年、厄年に行う決まりの泊まりがけの同窓会でした。
久々の飲み会で誰もが少々羽目を外した宴の翌朝、全員が二日酔いでした。
ホテルの朝食会場へ少し遅れて現れたHくん、彼も昨夜は久しぶりにジンジャーエール以外のものを飲んで、同様に頭を抱えていました。
「いやあ、昨夜はさすがに飲みすぎた。食欲もないね。すみません、ジンジャーエールを1本...あ、〇〇社のやつでお願いします」
Hくんは愛飲の銘柄をホテルのスタッフに頼みました。
こんなときもジンジャーエールをいつものように一気飲みするのか、と呆れていました。
「さてと...」
運ばれてきたジンジャーエールを受け取ると、彼は白飯が入った茶碗を持ち、そこにジンジャーエールを注ぎ始めたではありませんか!
あっけにとられた周囲の友人たちの視線を意にも介さず、そのままズルズルとお茶漬けならぬジンジャーエール漬けをかき込み始めたのです。
「うん、うまい! やっぱり二日酔いの朝はこれだね!」
ご満悦の表情で周囲を一瞥すると、その後は一心不乱にジンジャーエールにまみれたご飯をかき込み続けました。
なにかに取り憑かれたようなその姿に鬼気迫るものを感じたのは、きっと私だけではなかったと思います。
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