ペンネーム:さかなさん
性別:男性
年齢:55歳
会社帰りの釣り道具屋通いが日課。短期間でかなりの額を釣り道具につぎ込んでしまい、その額は妻にはとうぜんながら内緒。
五十の手習い、というわけではないが最近になって釣りに凝りだした私。実際には小学生のころにも、一時期は毎日のように安竿を手に釣りに出かけていたものだが、すぐに飽きてしまい何十年も釣竿を握ったことはなかった。
その後、浅く広く様々なものを趣味としてきたが、長続きしたものは会社員になってから始めたゴルフぐらいだろうか。なんだかんだで30年は続けてきたのだから。
しかし、そんな私も師匠に本格的な釣りを教わってからというもの、その面白さに開眼してしまった。その師匠とは娘の旦那さんである。
そもそもは、私が何の気なしにゴルフに誘ったのがその始まり。ゴルフはやらないということで断られてしまったが、代わりに彼のほうから「よかったら、一緒に釣りに行ってもらえませんか?」と誘われたというわけだ。
後になってよく聞けば、釣り場となる渓流にも海にもアクセスのよい私の家をベースキャンプ代わりにする算段があったようだ。また、あまりに釣りにのめり込むことで嫁、つまり私の娘に攻められた場合の味方を増やすという思惑もあったらしい。利用されているうちが花、ちゃっかりしているとは思いつつ嫌な気はしないものだ。
師匠と私がよく行くのが、ヤマメやイワナを狙う渓流釣りと、アジやカツオなどの魚を求めての船釣り。そう、釣ること自体もさることながら、食べることも大きな目的としている。
20代の若者が、50代の私に手取り足とり釣りを教えている姿は端から見れば、釣りバカ日誌の浜ちゃんスーさんのように見えているのかもしれない。もっとも、我が悪妻と娘は「あちらは大きな企業の社長さん。お父さんとは全く違う」などと憎まれ口を言っているのだが・・・。
そんな女性陣も、釣果には期待しているようで最近は釣りの日ともなると買い物にいかずに家で待っている。幸いなことに、今のところ晩御飯は白飯のみという事態にはなっていない。
しかし考えてみると、ゴルフと釣りは共通点も多い趣味といえよう。どちらも早起きしてほぼ1日がかりで出かけるものだし、クラブと釣り竿という棒状の道具を振るのも同じ。どちらも1本だけではダメで、状況や目的により数本を使い分けるのも似ている。
一方で、嬉しい違いもある。ゴルフでは成績がいくらよくとも家族には喜ばれないが、釣りで成績がよい、つまり大漁であれば少なくとも悪い顔はされない。私としては娘が婿と一緒にしょっちゅう実家帰りをしてくれるという点も嬉しいところだ。
仕事上の付き合いもあり、いまさらゴルフをきっぱり断つことはできないが釣りへの思いは高まる一方である。今の所、私が釣り上げたなかで最も大きい魚は60cmほどのカツオにすぎないが、特に大物への夢は広がるばかり。それも国内だけでなく、いずれ海外旅行で大物狙いの釣り三昧がもっぱらの夢である。それを定年後の夢、とするのもよいが何せ相手は体力勝負の大物。定年を待たずに、早いうちに実現させるつもりでいる。
もちろん、そのときは師匠も誘うつもりだ。
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