退職させるべき?会社経営をしていた父が認知症に

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ペンネーム:うずら
性別:女
年齢:53
プロフィール:
私の父は80歳まで仕事をしていましたが、困ったことに認知症の症状が現れてしまいました。社長という立場もあり、会社のみなさんにたくさんご迷惑をかけて心配でしたが、何とか一つ一つ問題を解決することができました。

私の父は80歳で他界しましたが、入院する直前までずっと自身が経営する会社で仕事を続けていました。
ですが、60歳代頃になると体力も知力も衰え始め、屋外の仕事であるにも関わらず、長時間立っていることが辛くなってきてしまったようです。そればかりか、話していても勘違いすることが増え、次第に、私たち家族は会社の経営が心配になっていきました。いま考えると、それが認知症のはじまりだったのだと思います。

父は普段からトラックを運転していましたが、細いドブにタイヤがはまってしまい身動きがとれなくなったり、毎日通っているコンビニで同じ物しか買えなくなっていったり、電車に乗ってもいつもと違う路線で移動することができなくなっていきました。このままではいけないと、父のいない時に家族で相談し、父に会社を辞めるよう説得することになりました。
その時点で後継者がいなかったこともあり、退職はそう簡単ではありません。いつもお世話になっていた社員の方に相談したところ、「僕たちでフォローしますし、何かあれば会議をして決めていきますのでそんなに退職を急がなくても大丈夫です」と言われました。

家に帰った父に会社での様子を聞いてみると、「会社では、ずっとソファーで横になってるんだよ。俺が何かしようとすると『社長、それは僕たちがやりますからいいですよ』って言われて、何もやる仕事がないんだよね」と言っていました。
「じゃあ、お父さんの仕事はないの?」と聞くと、「たまにお得意さんから電話があるからそれに出たり、書類に目を通したり。だけど、書類も俺のところに来る前に何回もチェックされているから、わざわざ俺がチェックする必要もないんだけどね」とのこと。私は会社の完璧なフォロー体制を感じ、それならば父の生きがいのためにもできる限り続けてほしいな、と思いました。

ですが、70代後半になると、父の言動は明らかにおかしくなっていきました。会社内で男性社員と女性社員が笑いながら話していると、突然すごい剣幕で、「なんだ、お前たちは不倫でもしてるのか」と怒鳴ったと言います。そんな話を聞くたびに、心の底から会社の人たちに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

そんな父でしたが、80歳で肺がんが発見され、急遽状況が変わりました。父の入院後すぐに私が会社に電話をすると、もうすでに会社の方では、父がいない状態での経営体制が出来上がっていたようでした。まず副社長と事務員さんが2人で病院に行って話をして下さり、会社の経営については副社長が全て引き継いでくれることになったのです。

父に認知症の症状が出始めてから約10年の間、認知症の症状がある父の会社経営が心配でしたが、社員の皆さんは全て理解してくれ、私たち家族の見えない所でしっかりと準備をしてくれていました。

父の認知症が始まったころは、会社に話すべきか随分悩みましたが、早めに話しておいてよかったと思います。家族だけで抱えていたら、会社の人たちが対応に困ったと思いますし、父の入院後もあんなにも早く後継者が決まらなかったと思います。話す相手にもよるのでしょうけれど、現役で仕事をしている家族が認知症になった場合は、しっかりと会社に伝えていく事も大切なのだと思いました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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