<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:年齢や立場に見合った、ふさわしい行動を取りたいものだと思う52歳です。
4年ほど前、当時48歳の私が勤めていた会社の幹部は、2~3カ月に1回、外部セミナーに参加していました。
セミナーは、部下育成や人間学を学ぶ類のものが多く、朝から夕方まで丸一日かかります。
さらに年に数回、セミナーの後に懇親会が開かれるものもあり、懇親会があるセミナーに参加するときは帰宅時間も遅くなります。
翌日も仕事なのに幹部の方々は遅くまで大変だなぁ、と他人事のように思っていました。
ある日、ふいに社長から「来月のセミナー、君も参加してもらうから」と告げられました。
私は、幹部ではないことを理由に辞退を申し入れたのですが、「まぁまぁ、今後のためだから」とあやふやな理由で辞意を却下されました。
今さら座学なんてなんだか面倒くさいなぁ、と思う一方、何か新しい学びがあるかもしれないワクワク感があったのも事実です。
当日を迎え、社長以下私も含めて総勢7人で臨んだセミナーは、私の期待を大きく上回り、とても内容の濃い素晴らしい学びの場となりました。
この日はセミナー後に懇親会がありました。
夕方までに一通りのプログラムを終え、一時退室すると、30分後にはセミナー会場はそれまでとは一変、立食パーティー会場に変貌していました。
懇親会ではお酒も振舞われ、とても楽しい時間を過ごすことができました。
いよいよ宴もお開きとなり、他企業の参加者の方々がゾロゾロと退場していきました。
では私たちも帰ろう...と思っていると、社長の「行くぞ!」の掛け声のもと、私以外の幹部の方々が一斉にビュッフェに向かい、残っている料理をむさぼるように食べ始めました。
今、何が起きているのか理解できない私に、社長は「こういうところでもとを取らないと!」と言い、私の手を引こうとします。
社長のまさかの発言と行動に恥ずかしさを覚え、私は「いえ...もう十分いただきましたので...」と精一杯の言葉を絞りだし、社長の手を払いました。
会場を片づけたいのに片づけることができないスタッフさんたちの冷ややかな目線は、私の感じていた恥ずかしさに拍車をかけました。
帰りの電車の中で「ああいうところで気取っていちゃダメだよ」と社長から指導を受けた私でしたが、どうしても「次から気を付けます」とは言えず「はぁ...」と気のない返事をするに留めておきました。
その後、幹部の末席に名を連ねることになった私は、2~3カ月に1回のセミナーにレギュラー参加することとなりました。
セミナーそのものは毎回有意義な内容で、とても楽しく受講させてもらっています。
しかし、どうしても懇親会のときの行動だけは何回参加しても馴染むことはできません。
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