<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:若いころはいかにして食費を抑えようか、あれこれと考えたものです。
かれこれ30年も前のこと。
20歳そこそこで、財布の中身はいつも寒い私と友人たち。
この頃は、お金がなければないなりの遊びを考え、貧乏でも十分楽しく過ごすことができていました。
しかし、年が若いためなのか、遊んでいるとすぐにお腹が空いてしまいます。
みんなで夜に集まって遊んでいると、日付が替わる頃にはすっかり腹ペコでした。
当時私が住んでいた地域は、そもそも飲食店が少なく、深夜営業している飲食店なんて数軒のみ。
お財布事情から逆算すると、某有名チェーンの牛丼店しか選択肢がありませんでした。
もちろん牛丼は美味しいですし、私も大好きですが、ひとつ問題がありました。
それは、1杯ではお腹いっぱいにならないことです。
この頃はまだ「特盛」は存在せず「並」あるいは「大盛り」しか選択肢がありません。
しかし、大盛りではこの頃の私たちの胃袋を満足させることはできなかったのです。
そこで「牛丼の並と普通盛りのご飯。あと卵をください」と注文するようになりました。
当時はこれで500円ほど。
とてもリーズナブルかつ大盛りを1杯注文するよりも量がありました。
ただ、注文を受けた店員さんにとっても異例の注文だったのでしょう。
ほぼ毎回、「並とご飯ですか?」と聞き返されましたし「どんな食べ方するんだろう」と興味津々な表情をしていた覚えがあります。
2杯の丼が目の前に並ぶと、まず牛丼の具を白ご飯の上に移し、その上から溶き卵をかけて1杯。
完食後、つゆがかかった残りのご飯に七味と紅ショウガをたっぷり乗せてもう1杯といった具合で、2杯食べ終わるとお腹も満足です。
お財布にも優しいこの食べ方は、しばらくの間、私にとってのマイブームとなっていました。
少々お金に余裕があるときは、お味噌汁をプラスしたこともあります。
50代になった私は、つい最近このことを不意に思い出し、あの頃の牛丼プラス白ご飯が食べたくなり、近所の牛丼チェーン店に足を運びました。
並プラス白ご飯の注文は今でも珍しいようで、店員さんから「牛丼と別でご飯ですか?」と確認され、食べ方を見られているような気がしました。
今は当時では想像もできないほど、いろいろなサイズがあり、変わり種の牛丼もたくさん。注文の際は選択肢が多過ぎて、何を注文しようか悩んでしまいます。
しかし、昔ながらの牛丼はやはり美味しくて、懐かしい気持ちにさせてくれました。
ただ、52歳の胃袋には「並+ご飯」は多過ぎました。
なんとか完食しましたが、改めて年齢を感じることになるとは思いもしませんでした。
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