＜この体験記を書いた人＞
ペンネーム：濃姫
性別：女性
年齢：45
プロフィール：夫（47歳）、大学生の娘（18歳）、中学生の息子（13歳）の4人家族。夫の実家は家族で飲食店を営んでいて、義父（72歳）と義母（69歳）とは半同居。
大学1年生の娘（18歳）は高校2年生から地下アイドルグループに所属し、現在も学生業のかたわら地下アイドルの活動をしています。
ライブがあった夜、帰ってきた娘から義弟（50歳）が、別のグループのライブに来ていたと知らされました。
娘がそのグループの子たちに聞いてみたところ、義弟は熱心な常連のファンだと分かりました。
ちょうどその頃、夫（47歳）の浮気が原因で、私たち夫婦は離婚寸前でした。
浮気される私にも原因がある、と義妹（42歳）が義母（69歳）に話していたことに腹を立てていた私は、義弟が地下アイドルのライブに行っていることを義妹に告げ口しました。
最初、話を聞いた義妹は「そんなことあるわけない」と笑い飛ばしていました。
しかし、義弟が会社に行っている隙に義弟の部屋をあさり、隠し持っていた地下アイドルのグッズを見つけたそうです。
怒り狂った義妹は、勝手に義弟が集めたグッズを処分をしてしまったようでした。
義弟は真面目を絵に描いたような人で、物静かで優しく、超自己中な義妹のわがままに振り回されても、一度も怒ったことがありません。
そんな義弟がアイドルのグッズを捨てられたことを知ると大激怒し、家を出て行って3日間帰って来ないらしいのです。
そんな中、我が家にやって来た義妹は、私を見つけるなり言ってきました。
「夫が地下アイドルにお熱を上げていることを私にバラしたのは義姉さんで、夫婦仲を壊した責任は義姉さんにある」
身勝手な言い分を振りかざし、私に半狂乱で詰め寄ってきました。
でも、私も義妹に言いたいことは山ほどあります。
「確かに地下アイドルにハマっていることを告げ口したのは私だけれど、彼が家を出て行ったのはあなたが勝手に大切な物を処分したことが原因でしょ」
義妹はしばらく黙り込んだ後、何とか義弟と連絡を取って、家に戻るよう説得してほしいと泣きながら懇願してきました。
私も少し責任を感じていたので、ダメもとで義弟の携帯に電話をしてみると、あっさりとつながりました。
まずは自分が告げ口したことを謝り、家に帰ってあげてほしいと頼んだのですが、義弟は冷静でした。
「お義姉さんのせいじゃないから気にしないでください。僕も近いうちに洋服や身の回りの物を取りに一度帰るつもりです」
「もう、あの家には帰らないの？」
「今までいろいろなわがままを許してきたけれど、今回のことは許せそうにないから、しばらく離れて暮らしたいと思ってるんです。今、隣に妻がいるんですよね？ いるなら明後日一度帰ると伝えてください」
電話を切って義妹に、明後日に義弟が一度家に戻ると言っていた、と伝えると、最初は喜んでいました。
「一度？ 一度ってまた出て行くってことなの？」
義弟の言葉の含みに気付いたのか、聞き返してきた義妹に私が頷くと、鬼のような形相で私を睨みつけて帰っていきました。
一度家に帰ってきた義弟に義妹は泣きながら謝ったようですが、義弟はやはり許すことなく、しばらく別居をすることになったようです。
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