体力は落ちたけど...アラフィフになったから言える「今が一番いい」

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ペンネーム:ダイチママ
性別:女
年齢:47
プロフィール:アラフィフはもう人生後半?よく考えると今が一番楽しいかも。日々たくさんの人と出会い、歳の重ね方について考えさせられます。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

私は福祉の仕事をしているので、たくさんの人に出会います。そして、気さくな性格ゆえか、あまりみなさん遠慮せずに、聞いてこられます。

「ねえ、失礼だけど、おいくつ?」

この質問に5年前の私なら少しサバをよんで、「40になったばかりです」などと答えていました。そのころはアラフィフなんて、オバサンだからいや! と心底思っていたんです。

 

今の仕事場は幸いというか、私より若い人がとても少ないです。別な言い方をすれば、ベテランの人が多いわけですが、だから肩肘張らずに自然体でいられます。私の1年後に入ってきた子が私より10歳若いのですが、その子がとても可愛い子で、性格は素直で天然、癒されます。

その子はズバッとものを言うのですが、とても温かい想いで人を見つめていて、ああ、そんな考え方は素敵ねと私も反省することがあります。また、すごいと思ったことはそのまま「そんな考え方と仕事のやり方、すごい!」と表現してくれます。

歳をとるにつれて、しっかりしなきゃ、完璧でなきゃと肩に力が入りすぎて、力むことからうまくいかず、空回りすることが増えていた私ですが、彼女と接するうちに肩の力を抜いて、私のままでいいんだと思えるようになりました。

彼女より年上だから、守ってあげられるところがあるし、高齢の方に近づいているから、みなさんあまり構えずに接しやすいのではないかと思うのです。

正直、体力は落ちました。一度事務所に戻るとまた出かける気力を湧き立たせるのが一苦労です。眼鏡はすぐに度が合わなくなるし。3カ月前作った眼鏡はまだ『遠近』じゃなかったけれど、この頃は飛蚊症がひどいし、肩こりも腰痛もあるし。なにより暑い夏をすぎたこの頃、秋バテがつらいです。午後は鏡を見たくない。目の下のたるみが我ながら可哀そう。

そんな思いもある中、先日2度目の引退をしたクルム伊達さんをテレビで見て、しわがセクシーと感動しました。年齢を重ねたからでてくる自信もまぶしい。そんな姿は私に新たに自信を与えてくれました。今の自分より前の自分に戻りたいか? 今は、このままがいい、とはっきり言えます。

 

50歳を前にして、肌の張りはなくなったけれど、気持ちの張りは満点かなと思います。今の私にしかできないことがたくさんあります。

例えば、腹が座りました。喧嘩っ早いのとは違って、冷静にものを見て考えることができるようになりました。また、こんなこと言ったら笑われるかもというびくびく感がなくなって、思ったことをすんなり言えるようになりました。

若いときには分からなかった『だるさ』とか『つらさ』とかがわかるようになり、高齢のお客さんと本当に共感を持てるようになりました。そのことで、信頼も得られるようになりました。

人としての生きがいとか幸せとかをもっと深いところで考える余裕ができてきたので、共感できる部分が若いころとは違うと思います。だから、今の福祉の仕事はとてもやりやすくなりました。

まだ多くはないけれど、大切な人とのお別れも経験して、人としての最期の迎え方を自分なりに思うようになってからは、別れ=悲劇とは思わなくなりました。むしろ、別れのその時までを尊厳をもって過ごすことの大切さを痛感できるようになったので、人を見つめる視点は変わったと思います。この点も今の仕事には重要だと思っています。

 

50年近く生きてくると色々知ることができます。それを現実に生かすことが自然とできるのが、この年代からの強みだな、と思います。

それでも、私のことをまだ自分の半分しか生きていない、と愛し気に語ってくれる高齢の方々の存在に学ばされます。学ぶ喜びを知ったのも今日この頃です。勉強なんて学生の仕事と思っていたけど、若い人についていくにはもっと勉強しなければいけないし、勉強することで、若い人の手伝いもできるし、人生の先輩方のお役にも立てる、と点数ではない喜びを感じるのです。

 

多分、今が一番楽しい時だと思います。若い人たちが、「学生時代に戻りたい」とよく言いますが、私は胸を張って言えます「今が一番いい」と。まだまだこれから歳を重ねるでしょう。5年後、10年後の自分も大好きでいられるように真剣に自分と向き合って生きていきたいと思います。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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