私は娘のことを何も知らなかった。娘に先立たれた今考えていること

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ペンネーム:ダイチママ
性別:女性
年齢:46
プロフィール:2回の結婚と離婚を経験。娘は私と本当に苦労を共にしてきて、私の一番の支えでした。その子との別れと、病気を持った息子との生活。笑顔も出るけれど、どうにも拭いきれないかなしさに、時折涙が流れます。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

大学を卒業してすぐに結婚し、県外に出て世間知らずのまま妊娠、出産。同じく世間知らずの夫の不貞であっさり離婚して故郷に娘と戻りました。世間体を気にする母からは実家に近づかないように言われ、祖父母の家の駐車場に車を停めさせてもらい、車上生活を始めました。

そんな生活を続けられないと、サラ金で10万円を借りて部屋を見つけて住み始め、一所懸命働いて借金は半年で完済。その後は、順調に仕事の紹介を受けて、徐々に生活が安定していきました。子どものことを思うと私の仕事の間に世話をしてくれる両親の存在も必要と考えて和解し、両親と住むこともできるようになりました。

体格が良い娘は柔道をすすめられ、その習い事の縁で再婚。今度は連れ子同士での再婚でしたが、DVをはじめ、諸々の事情でまた離婚することに。授かった息子も連れての新しい出発でした。

両親との同居は、もともと不安定な精神状態の母とうまくいかず、子ども2人を連れて独立。やっと本当に安堵できる生活になりました。

高校を卒業した娘は、私の影響で私が目指していた資格取得ができる大学に進み、「いずれは二人で会社を立ち上げられるね」と話して幸せでした。そんな時、息子に難病が見つかり、緊急手術。訳がわからないままに振り回され、気づくと手術は終わっていたものの、なんとなく娘との距離ができていることに気づきました。ですが、息子の様子が気になり、じっくり向き合う時間もなく、見過ごしてしまっていたのです。

術後の経過が良く、少し遅い夏の旅行をした次の週のこと。妙な胸騒ぎがしてして気分が悪くなり夕方帰ると、一瞬先に帰った息子の叫び声が部屋から漏れてきました。

「ねねが死んでる!」
なんとなく朝から不安がありました。前夜、口喧嘩をしたことがひどく胸に引っかかっており、取り返しのつかないことになるような気がしていたのです。

大学の夏休み明けで、来週はもう一回旅行に行こうと約束したばかりでした。

娘の自殺の原因は、警察にも調べてもらったけれどよくわかりませんでした。娘の友達から、娘が出会い系サイトにはまっていた事を教えられましたが、それがどうなっているのか、実際に会った人がいるのかもわかりませんでした。
親なのに子どもの事をこんなに知らないなんて自分が情けなかったです。

後悔にさいなまれる日々が続きましたが、それでも、息子を育てなければいけません。仕事をしないと生活ができないから、仕事をし、目指していた資格を取る勉強を続けて、転職しました。娘の死後はなんとなく気まずくなっていた両親や妹とも会う事がほとんどなくなり、息子と二人で生きて生きながら、温かい人たちにも出会い、二人きりじゃないとありがたさを噛みしめることもできています。それでもなんだか胸が空っぽの感じが消えません。

早く娘のところに行きたいとそればかり思い続けて生きてきた私に、一回り年上の職場の先輩が泣きながら語ってくれました。「生きなきゃ」と。過去は過去として受け止めて、今一緒に生きている息子のために自分たちの家を作るべきと言ってもらい、確かに辛いのは私だけじゃないのにと気づかされました。

それからというもの、「今という時をしっかり生きることを息子に伝えないといけない。そのために今は敢えて笑おう」と思ってはいます。でも、やはり信号待ちに涙が溢れ、月を見て娘を思う気持ちは止めることができません。

それでも、朝日に手を合わせ、今日も頑張りますと言えること、自分を生かしてくれる全てに感謝して、なんとか生きていきたいと思っています。

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健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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