性別:女
年齢:49
プロフィール:3人の子持ちママです。私が42歳のときに47歳の夫が脳梗塞で倒れ、右半身のマヒと言語障害などが残りました。私自身も甲状腺の持病の他に、年齢とともに高血圧症や椎間板ヘルニアなどの病気が出てきています。
あれは、7月のはじめのことです。2017年は早い時期から猛暑が続き、その日の夜もエアコンが効いた自分の部屋で、いつものように夜勤の仕事に行く前のひとときを、パソコンに向かいメールのチェックをしながら過ごしていました。
時計を確認すれば、21時を少し過ぎたところ。家を出る30分前になったため、もうそろそろ準備にかかろうかと思い、イスから腰を上げようとしたところ、目の前に「ポトリ」と黒い小さなものが1つ落ちて来ました。
良く見ると、それは羽の生えた黒いアリ、いわゆる「羽アリ」でした。「なんでこんなところに羽アリが...」と思いつつ、潰してしまうのは気が引けたので、パソコンデスクの上にあったハガキの上にアリを乗せて窓の外へ逃がしました。それじゃ仕事に行く準備を、と気を取り直してパソコンの電源を落とそうとすると、今度はポトリ、ポトリと2匹の羽アリが、テーブルの上に落ちて来たのです。
そこで胸をよぎったのは「嫌な予感」。1匹だけなら間違って迷い込んだ可能性もありますが、3匹となると、もっといる可能性があることに気が付いたのです。おそるおそる天井に視線を向けた私は、広がる光景を目にした瞬間、恐怖で全身が見事に固まりました。
なぜ今まで「この気配」に気づかなかったのか不思議なくらいの圧倒的な存在感で、天井を黒く埋め尽くしているのは、黒い羽アリの大群です。まるでパニック映画のワンシーンのような光景に、まさにパニック寸前の私はなんとか理性を呼び覚まし、ゆっくりと後ずさり部屋のドアを開けて廊下に出てドアをすぐさま閉めました。
まずは、あの羽アリの大軍を駆除しなければ。その時家にあったは、コンセント式の蚊取り線香とゴキブリ用のスプレータイプの殺虫剤で、羽アリ用のものではありません。ゴキブリ用のスプレーを天井にまくのは、下に液だれしてきそうでいただけません。そこで、効果の程は定かではありませんが、液だれの心配はないコンセント式の蚊取り線香を付けてみました。
そして、5分後。羽アリは、ポトリポトリと床に落ちては来ますが、自然に落ちているのか蚊取り線香が効いて落ちてくるのか判然としません。そうしているうちにも、迫ってくる出勤時間に焦りを隠せない私は、最終手段に出ることにしました。つまりは、手っ取り早く、羽アリを掃除機で吸い取る作戦に出たのです。意を決して、天井に掃除機のノズルをむけて片っ端から羽アリを吸い取って行きます。
奮闘すること15分あまり。天井に広がっていた羽アリは、ほとんど掃除機の中へと吸い込まれて行きました。しかし、よく目を凝らしてみてみると、天井の隅から新しい羽アリが列をなして出てくるではありませんか。いったい、どのくらいの数いるのだろうか?こんなことあえりえるの?とパソコンで検索してみたところ、正確な数は分かりませんでしたが、梅雨明けの時期には多く見られる現象のようで、対処方法がいくつか紹介されていました。その中に掃除機による駆除方法が書かれているのを発見して、妙に嬉しくなった私です。
結局、その日は、そのままの状態で出勤。どうなっているかドキドキしながら帰宅したところ、羽アリの姿はほとんどなく、ホッと胸を撫でおろしました。黒い羽アリは、巣立ちの際に迷い込んでしまっただけで特に悪さをするわけではないそうなので、少し気の毒な事をしましたが、今までの夏で、一番ヒンヤリとした体験でした。
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